治療院での流行り

治療院では、同じような症状や、同じような患者さんが続くことがあります。

 

現在、大流行の新型コロナウイルスですが、感染の疑わしい人は鍼灸院には来られません。

続いているのは、その感染症患者さんではない、他の症状やつらさです。

 

最近続いているのは、めまい&吐き気&頭痛・首こり、です。

おそらく、暑さの疲れ、熱中症、風邪症状等が加わって、内耳(平衡感覚器)の不調が、顕在化されるのではないかと考えます。

内耳の不調は、自律神経症状として、吐き気などにもつながります。

また、耳鼻咽喉科領域の不調は、頭部や首肩の筋に反射し、頭痛・首凝りにもつながります。

 

そういう「流行り」のような不調は、個人の問題だけでなく、環境(気候等)も影響しているのでしょう。

ですが、環境要因に対しては、対処が難しいこともあります。

環境は変えられなくとも、個人の要素(過労、内耳の不調、筋緊張等)を、改善して、症状を治めてもらいます。

 

そういった気候の影響は関係ないと思われる「流行り」が起こることもあります。

最近、当院で続いているのは、「産後ケア」です。

SORA鍼灸院では、周産期ケアに特化しているわけではありませんが、妊娠前からや、妊娠中からの患者さんが、無事に出産されて、また来院されるケースが、最近続いています。

出産お祝い金のローラー鍼

 

出産は、大きなイベントです。

肉体的、精神的、環境的にも、大きな変化があります。

社会的なサポートもまだ不十分だと感じます。

母親へのプレッシャーもあることでしょう。

それに加え、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少に伴う、心身の不調は多いようです。

しかし、それだけが原因であれば、妊産婦さん全員が、不調に陥ることになります。

そうでないのは、他の要因もあるからでしょう。

 

気候の影響と同じく、対処できないものに解決策を求めるのではなく、それ以外の要因を考えて、治療していきます。

自分でも分からない不調、精神的な症状は、「内耳」の不調が原因になっていることも、多いものです。

 

そう考えると、産後ケアが増えているのも、実は、はじめの「めまい」が増えているのと同様に、環境要因が影響しているのかもしれません。

 

自分でも分からない不調、我慢せず、まずは相談して貰いたいと思います。

 

(院)

これって蚊アレルギー?

暑い日が続きますね。

最近、蚊に刺されると腫れと赤みが長く続くようになり、以前あまり刺されなかったので不思議に思っていました。

 

調べてみると、蚊は人の発する二酸化炭素、揮発成分(汗や香水)、37℃くらいの体温、黒い色を好んで刺すようです。

以前より体温が高くなったので蚊によく見つかるようになったかもしれません。

 

蚊に刺された時の反応は2種類あります。

すぐに腫れとかゆみが出て1時間くらいで引くのが「即時型」。

しばらくしてから腫れとかゆみが出て、1~2週間くらい続くのが「遅延型」といいます。

私は蚊アレルギーになってしまったのかと思っていたのですが、ただの「遅延型」の反応のようでした。

 

蚊に刺された時の腫れ方の違いは、刺された回数によっても変化するそうです。

生まれたての時は即時型、遅延型のどちらの反応も出ず、1~2歳くらいで遅延型になり、腫れも強く出るようになります。

小学生になると即時型と遅延型の両方が出るようになり、徐々に即時型に移行して腫れも大きく出なくなります。高齢になるとどちらの反応も無くなっていくそうです。

赤ちゃんに腫れが強く出るのは自然なことのようです。

蚊に刺されていくことで徐々に反応も変わるので、あまり心配ないそうです。

ただ、かゆみが、かわいそうですね。

赤ちゃんの場合は患部を冷やしてあげると、かゆみが楽になります。

 

最近耳にする「蚊アレルギー」は、俗称です。

本物の「蚊アレルギー」は、「蚊刺(ぶんし)過敏症」といって、慢性EVウイルス感染症の症状の一つなのだそうです。

EVウイルスは多くの人にとってそれほど害のないウイルスで、幼少期から青年期にかけて感染し、風邪のような症状で治まります。

ごくまれに一部の人はウイルスをうまく排除できずに、何年も風邪症状を繰り返したり、蚊アレルギーなど、さまざまな症状をきたします。

慢性EVウイルス感染症の人は、蚊に刺されると、39℃以上の発熱、水膨れ、水膨れの後黒いかさぶたになり、かさぶたが取れた後、潰瘍のような深い穴が残ったりする症状が出るそうです。

体調や体質によって刺された後の反応が強く出たとしても、多くは「蚊アレルギー」ではないようです。         

 

さて、成長して皮膚が丈夫になってくれば、蚊に刺されたかゆみと腫れ対策に、せんねん灸が使えます。

患部にせんねん灸をすると、かゆみが楽になり、腫れも早く引きます。

患部の循環が良くなり、炎症物質の代謝が促されます。

 

体の過敏性を調整する働きがある「肝臓反応点」のケアをプラスするとより効果的です。

私も患部と肝臓のお灸で、この夏を乗り切りたいと思います。

 

虫刺されにせんねん灸

(副)

おいしい給食 その後

先日、「おいしい給食」が、マイ家族ブームになっているとご紹介しました。


その後、患者さんからも「おいしい給食を見ましたよ!」という声も聴かせて頂きました。
(ちょうどサンテレビで再放送されていますし、映画をご覧になられた方も!)

私たちも、まだその熱、冷めやらずで、近況ご報告を。

① 舞台挨拶に参加!

前回の投稿では、公開直後に、映画を観に行ったお話でした。
実はその1週間後に、主演の市原隼人さんと綾部監督が、神戸でも舞台あいさつに来られるということが分かりました。
ちょうど予定も空いて、まだ席も空いていて、こんな機会は無い!、ということで、2週続けて映画を観に行きました。
人生初舞台挨拶でしたが、役者さんや監督さん、そしてファンの思いが伝わってきて、良かったです。

おいしい給食舞台挨拶
1回目より大きいスクリーンでした

 

② 映画パンフレットの購入!

公開直後の映画館でも、パンフレットは購入できませんでした。
ところが、映画配給会社のサイトで、オンラインで販売されていました。
しかもクリアファイル付きで。
それはもう購入するしかありません。
しかも、前回の映画のパンフレットまでありました。
また出演者や監督の熱い思いを感じることができました。
これまでのドラマの給食が紹介されていて、ますます給食熱が上がっていきました。

AMGエンタテイメント
『劇場版 おいしい給食 卒業』 パンフ+クリアファイルセット
https://www.amg-films.jp/product/1354

おいしい給食映画パンフレット
前回作より大きくなってました!

 

③ 給食グッズ と 給食ごっこ!

そして、自宅で「給食」を再現するようになりました。
メニューはもちろん、給食でよく見る「銀食器」や、再三登場する「先割れスプーン」など。
忘れてはならないのが、毎回出てくる「瓶入り牛乳」と、「ミルメーク」です。
「瓶入り」の牛乳もなかなか近くでは見つけられなかったのですが、ライフ本山店にありました。
「ミルメーク」はネットで見つけましたが、患者さんが「ダイソーにありましたよ!」といただきました!
劇中にはなかった「メロン」「バナナ」「キャラメル」など、色んな味もあって、しばらくは楽しめそうです。

給食再現
ミルメークを入れて振るときは要注意

 

そんなわけで、まだしばらく、給食熱は続きそうです。

(院)

気象病には耳鼻咽喉ケア

今日、ここ近畿地方でも、7月を前に梅雨明けしました。
わずか2週間という観測史上最短の梅雨だったようです。
昨日、セミの今年の初鳴きを聞きました。
セミは、季節の変わり目を、しっかり感じ取っているようです。

セミの羽化
昨年の蝉

 

今年の梅雨は、体調を崩す方が非常に多かったように思います。
特に、そんな気候の影響を受けるのが、「耳」に不調のある方。
耳の働きには、平衡感覚と聴覚があります。
めまいやふらつき、耳鳴りや難聴などが、ある方です。
(平衡感覚は、反射的に働くため、自覚に乏しく、その不調に気づいていない人も多いです。)
そこからつながる自覚症状として、眼の疲れ、顎関節症、頭痛、首・肩こり、自律神経症状などもあります。
(平衡感覚は、動眼神経、運動神経、自律神経諸核とも つながりがあります。)

こういった症状を合わせて、「気象病」とか「天気痛」とも呼ばれています。
天気予報で有名な、ウェザーニュースが、これまでに会員の方々と幾度も検証を行った結果、
「気圧の変化が通常のパターンからずれた時に、頭痛や関節痛などの天気痛を感じる方が多い」ようです。
そのデータを基に、「天気痛予報」も発表されています。

 

ウェザーニュース
低気圧や前線で気圧変化
頭痛など伴う気象病「天気痛」に注意
https://weathernews.jp/s/topics/202206/070075/

 

その原因として、耳の奥にある「内耳」が関係していると言われています。
「内耳」が気圧のセンサーとしても、注目されています。
確かに、新幹線や飛行機など、急な気圧の変化で、耳に違和感を感じます。
耳が何らかの影響を受けていると想像できます。

上記のリンクページでは、天気痛の改善に「耳マッサージ」が紹介されています。

くるくる耳マッサージ
引用 ウェザーニュース https://weathernews.jp/s/topics/202206/070075/

反応点治療で考える「内耳」の反応点も、耳たぶ付け根にあります。
耳マッサージで「内耳点」の皮膚も刺激されそうですが、ローラー鍼でコロコロした方が、より効果的に刺激は届きそうです。

併せて、耳周りの筋を緩めれば、頭痛や顎の痛みも緩和されるでしょう。
首や肩がつらい方は、その周辺の筋も緩めます。

 

あと、そんな「耳」の悪くなる方に共通するのが、「鼻」や「のど」の悪さです。
「上咽頭炎」が影響していることもあるようです。
耳と鼻や咽は、耳管(じかん)という管で解剖学的にもつながっていますし、神経支配的にも同じ脳神経(三叉神経・迷走神経)でつながりがあります。

耳と鼻のつながり


「耳」をケアしてもなかなか良くならない方は、「鼻」や「のど」も併せてケアを行ってみましょう。
反応点治療では、それらの器官の不調を見極め、鍼灸治療を行っていきます。

 

気象病、天気痛のある方は、「耳鼻咽喉」がポイントです!


(院)

 

エアコン清掃で 肩こり予防

つい先日まで暖房をつけていたのに、冷房が必要な季節になりました。
SORA鍼灸院では、寒い間はガスファンヒーター、暑い間はエアコンを使用しています。

しばらく使っていなかったエアコンには、ホコリやカビが繁殖していることがあります。
久しぶりにエアコンをつかうと、それらが空気中を漂います。
さらに季節の変わり目、寒暖差もあって、ノド鼻風邪を引きやすくなります。
喉や鼻の炎症は、その周辺、頭、首、肩まわりの筋肉を反射的に緊張させます。
(内臓ー体性反射)

 

喉や鼻の炎症 → 迷走神経(三叉神経) → 延髄 → 副神経 → 僧帽筋・胸鎖乳突筋
       →  頸部感覚神経  → 脊髄 → 頸神経 → 板状筋・肩甲挙筋など

 

その結果、毎年この時期は、喉や鼻を悪くする人、首肩こり寝違えを訴える人が、増える季節です。

しばらくぶりのエアコンの稼働は、要注意です。
エアコンの清掃や空気の換気をしっかりしてから、使い始めましょう。

 

ということで、SORA鍼灸院でも冷房を使い始める前に、エアコンのクリーニングをして貰いました。
鍼灸院のエアコンは業務用で、年式も古く、掃除も大変なので、業者さんに頼みました。

before
before(いまいち汚れが分かりませんが…)

前回のクリーニング業者さんは、外枠は外されませんでした。
今回は分解出来るところは全て取り外して、清掃して頂きました。

外で高圧洗浄されました
外せない部分はそのまま洗浄

汚れがたまっていたようで、予定より長く時間をかけてクリーニングして頂きました。

エアコンカバー外し
ピカピカになって取り付けられました!
after
after

クリーニング前後の違いがいまいちわからないので、載せるか迷いましたが、清掃中のエアコンの内部や部品も。

クリーニング前
エアコン内部
エアコン内部部品
ドレンの裏側

画像は小さめに…自粛しておきます。

今回、洗浄後に、空気の王様「抗菌・抗ウイルスチタンコーティング」もして頂きました。

https://kk-bless.com/coating/

今日のような暑い日も安心してエアコンが使えるようになりました。
心地よい空気が漂っています~

(院)

おいしい給食

介護の話題ばかりだったので、たまには息抜きで、マイブームを紹介します。
最近、家族ではまっているのが、「おいしい給食」です。
「給食」がテーマのコメディドラマですが、笑いあり、感動あり、そして「食」について考えさせられることもあります。

1年前のコロナ禍に「劇場版 おいしい給食 Final Battle」を、amazon primeで見たのが始まりでした。
その後、Season1 の連続ドラマを再放送で見て、さらに Season2 が昨年秋に放送され、録画をして欠かさず見ていました。
そして現在、最新作の『劇場版 おいしい給食 卒業』が映画公開されています。

映画『劇場版 おいしい給食 卒業』公式サイト
https://oishi-kyushoku2-movie.com/

先週 5/13 上映開始でしたが、早速先週末、お友達家族と一緒に観てきました。
睡眠不足だったので寝てしまわないか心配でしたが、その心配は全くありませんでした。
主演の市原隼人さんの演技力に今回も圧倒されました。
まだ公開中なので、詳しい内容は書きませんが、「食」への楽しみが伝わってきます。

私たちは、患者さんから、健康に良い「食事」について聞かれることも多いです。
その多くは、栄養面に関してです。

「〇〇の成分が、関節に良い」とか、
「〇〇を食べない方が、アレルギーになりにくい」とか。

確かに、ある成分によって効果を示すことはあるのでしょうが、それだけで身体はできていません。
そして、栄養を取ることだけが、「食事」ではありません。
食事制限の厳しかった、副院長の経験もあります。

私たちは、食べることの楽しみや有難さも、「健康」のためには必要だと考えています。
そういったことが、この映画でも表現されています。

おいしい給食109
109シネマズHAT神戸

 

「給食」と言えば、書籍や映画化されるほど、ここ芦屋では力が入れられています。

書籍「芦屋の給食」
https://amzn.to/39ZeRbC

映画「あしやの給食」
http://ashiyanokyushoku.com/

あしやの給食
こちらも観に行きました

私も子どもながらに、小学校の給食が美味しかったのと、決して残さなかったのを覚えています。
娘の給食の献立表を見ても感心するばかりです。
娘も給食が楽しみで、毎日献立表を携帯し、チェックしています。

つい先日も娘の大好きな「オムライス」でした。
手作りで一つ一つ卵で包まれています。
全校生徒だと大変すぎるので、学年毎に回ってきます。
給食の先生にも感謝です。

そんな作り手の苦労や工夫も感じられる「給食」。
食への感謝の気持ちを忘れないでいて貰いたいと思います。

ミルメーク
(映画鑑賞プレゼントのミルメーク)

 

(院)

嚥下障害による食事の変化

父の以前の生活から大きく変わったのが、食事です。
退院してきた時は食欲がなく、食べたい物も思いつかない、といった状態でした。
体重も入院前から10kg以上やせてしまいました。

脳梗塞の影響で嚥下に必要な筋肉がうまく動かせなくなったことと、長い入院であまり会話できず声も出さずにいたことで咽周りの筋肉が衰え、食べ物を飲み込む力が落ちました。

飲み込むのが難しいので食事に時間がかかり、嚙んだり、飲み込んだりすることに疲れてしまいます。
思い通りに動かせないのか、口の中を噛んでしまうこともありました。

嚥下障害で特に困ったのは、飲み物です。
サラサラした水分はすぐに咽に流れ込んでしまうので、自分のタイミングで飲み込むことができません。
飲むとむせてしまいます。
果汁の多い果物もジュワッと水分が出てくるのでむせます。
飲み込みがうまくできないと、食べ物が気管に入り、気管から痰がたくさん分泌されます。
痰は気管に入る異物を出すために分泌されます。
飲み物でむせる、痰がたくさん出てくることは、嚥下力が落ちているサインです。
父の場合、常に痰が出ていて、食べる度にむせる状態でした。

飲み込むことが難しい時は、食べ物にトロミをつけると飲み込みやすくなります。
言語聴覚士さんにより、飲み込む様子を確認しながら、安全に飲み込めるトロミの濃さや、食べられるものを探す事が続きました。
とにかく食べられるものを食べて、体力をつけることに専念することになりました。

まず、濃いめのトロミが必要と判断されました。
当初は、お茶にとろみをつけて出していましたが、父はほとんど飲んでくれません。
とろみ付きのお茶はまずいのだそうです。
実際にそれを飲んでみると、美味しくありません。
(家族や患者さん、利用者さんにして貰うことは、自分も体験してみると良いです。)

例え飲み込みが安全だとしても、飲まなくなれば、脱水の心配があります。
お茶はあきらめて、水分補給ゼリーや栄養補給ゼリーに切り替えると飲んでくれるようになりました。

さらに食事は、柔らかいとか、細かく切れば良いというわけでもありません。
粒状のカスが咽のポケット(梨状陥凹や喉頭蓋谷)に残れば(咽頭残留)、誤嚥性肺炎の原因になることもあります。
最後に水分で流すことも有効のようですが1)、父はよくむせていたので、ペースト状の食事が勧められました。
でもペースト状のおかずは、あまり食が進まないようでした。
(見た目もあまりよろしくありません…)

代わりに、高栄養のゼリーや豆腐などの介護食なら食べやすいようで、自分から食べてくれるようになりました。
高カロリーで溶けやすいチョコレートも食べやすいようでよく食べてくれました。
好んで食べるものは、不思議と むせにくいこともあるようです。

介護食品を取り扱うサイトには、嚥下力の程度に合わせた、飲み込みやすく、栄養価の高い食品が沢山あります。
ネットで注文するとすぐに届いて、忙しい時も大変助かりました。

先ほどの「トロミ剤」も多種多様で、進化もしています。
家庭にある片栗粉やデンプン系のトロミ剤だと、唾液で消化されて食べるうちにサラサラになってしまいます。
最近主流のキサンタンガム系のトロミ剤なら、粘度が維持され、味や安定性も改善されています。2)
介護用に作られ工夫された食品が沢山あることに驚きました。

そんな飲み込みやすい高栄養の食事のおかげで、父も少し体重が増え、意欲も出てきました。
すると次に課題となったのは、口腔内環境です。

噛まずに飲めるものばかりだと唾液の分泌が悪くなります。
唾液は、口内の抗菌作用、食べ物を飲み込みやすくする作用があります。
また、唾液は食べ物と混ざる事で、舌の味蕾に味覚を伝える役割も担っています。
唾液が出にくくなっているのか、父の味覚も以前とは変わっているようです。

唾液が出やすくなるよう、最近はカスが残りにくいスナック菓子で噛む練習をしています。
咀嚼や嚥下に必要な筋肉は使うことで復活していきます。 
口から食べることを諦めずにリハビリを続けることが大切です。

ただ、咀嚼や嚥下が難しい時は、食事に時間もかかり、顎や頬、咽や首の筋肉に負担がかかって、こわばりが出ています。
鍼灸で顔周りの筋肉をほぐすことで、動きやすくなり、また唾液の分泌も促されます。
唾液分泌に関する鍼灸の研究もいくつかあります。
多くが経穴への治療ですが、唾液腺のある顔面部への局所刺激が、他の部位よりも有効であったことも報告されています。
反応点治療でも、頭部、特に咀嚼筋(側頭筋や咬筋)、唾液腺付近の反応点に、アプローチしていきます。

父は、言語聴覚士さんによるリハビリ、私たちによる鍼灸など、いくつかの介入により、嚥下状態や発声状態も改善してきているようです。

だんだんに父の状態がわかってきて、生活のリズムが整ってきています。
生きていくために必要不可欠で、生きがいにもなる「食べること」。

引き続き、見守っていきたいと思います。

(副・院)

 

1)咽頭残留とフィニッシュ嚥下

2)とろみ調整食品

3)シェーグレン症候群(SjS)患者の乾燥症状に対する鍼治療効果

レスパイト

父の退院から1ヶ月が経ちます。
自宅での生活にも慣れてきて、必要なモノやことが分かってきました。
退院直後は、次々と起こる事態に対応しないといけないので、目の前のことでいっぱいでした。
それが、少し時間が経って落ち着いてくると、その大変さや先の不安も感じるようになります。
これまでの経験だと、災害後や出産後、何か初めての大きな出来事後の心情の変化にも似ているかもしれません。

そんな時に大切にしたいのが「レスパイト」。
訪問介護の仕事を始めた頃に教えてもらいました。
そして、その必要性も。

「レスパイト」(Respite)とは、英語で「小休止」「休息」「息抜き」といった意味の言葉です。
「レスパイトケア」という言葉もあり、

 介護する人に提供される計画的、もしくは緊急の、一時的なケアである。
 言い換えれば、「ケアする人のケア」である。1)

とあります。

介護の場合、その手段として、介護サービスの利用があります。
デイサービス(通所介護)2)や、ショートステイ(短期入所生活介護)3)は、利用者(介護を受ける人)の支援やリハビリにもなりますが、介護者(介護をする人)の負担を軽減する目的もあります。

また、鍼灸院に通うことが「レスパイト」になっている方もおられます。
介護の疲れを取りに来られたり、介護を受ける人も来られたり、一緒に来られたり。
在宅介護で一人で通うことが難しい人には、私たちが自宅に伺って一緒に治療させて貰ったりもしています。
介護の大変さを知って、ますますその重要性も感じます。

介護をする人の健康をまもるQ&A
介護する人の健康をまもるQ&A
(こんな書籍もあります)

他に、私にとっては、仕事をしている時間もレスパイトになっています。
仕事が忙しいことで、気が紛れることもあります。
介護のことから少し離れられると良いのでしょう。
同じ屋根の下でずっと介護を続けられる人は本当に大変だと思います。

ストレスも、ずっと続くと大変ですが、少し途切れるだけで、助かることもあります。
また、少し離れて客観的に見ることで、見えてくることもあります。
「育児」でも同じようなことが言えるかもしれません。

 

最近、介護が大変だという内容の投稿になっていますが、介護ができて良いこと、嬉しいこともあります。

もう少し余裕が出来たら、そんな内容の記事を書きたいと思います。

(院)

1) レスパイトケア

2) デイサービス

3) ショートステイ

介護サービスを受けるには

父が退院してあっという間の1週間でした。
その割にはいつもよりブログが書けています。
見守りや待機で時間ができたのと、家族についてだからですね。
患者さんや利用者さんのことは守秘義務があり詳しく書けませんが、家族のことなら具体的にも書けます。

この1週間、ケアマネジャー、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、介護士、鍼灸師(私達)の誰かしらが毎日入ってくださっています。
特に、退院後の2週間は、基本的な制限に縛られず「医療保険」による訪問看護が利用できます。
「特別訪問看護指示書」といって、主治医が頻繁な回数の訪問看護が必要と認めると交付されます。
(理学療法なども含まれます1)。)

では、「介護保険」を利用した、介護サービスについてはどうでしょう?
今すぐ介護を受けたい!と言って、すぐに利用できるわけではありません。
公的な介護サービスを受けるには、申請手続きが必要です。
(自費ならすぐ利用できるサービスもあります。)

その流れは、こちらをご参考ください。

芦屋市サイト
>介護保険
手続き方法(サービス利用までの流れ)
https://www.city.ashiya.lg.jp/kaigo/tetsuzuki.html

私の父は、入院前は独居で自活できていて、介護サービスも利用していませんでした。
でも退院後は介護が必要だろうと判断し、入院中に認定調査の申請を行いました。
病院で、認定(訪問)調査が行われ、一次判定(コンピューター)、二次判定(介護認定審査会)を経て、認定結果が通知されます。
その結果で、要支援1~2・要介護1~5のいずれかの判定がおりれば、介護保険でのサービスを利用することができます。
申請から通知まで、約30日程度かかりますし、かかりました。

在宅サービスの場合は、認定結果が出る前から生活が始まることもあるので、通知前に暫定的にサービスを利用することもできます。

その結果を待っている間に、施設を探したり、在宅であれば住環境を整えたりもします。
ポータブルトイレのように購入しなければいけないものや、歩行器、手すりなど、レンタルできるものもあります。
ケアマネージャーや福祉用具に詳しい方と相談されると良いでしょう。

病院での父の状態が詳しく分からなかったので、いくつか選択肢を用意しながら、実際の生活をしながら、器具や設備も取捨選択していくことになりました。
ここでも、やはり臨機応変に、その場に応じて対応していくことになります。

認定調査の申請をして、結果が出るまでには、時間もかかります。
その間に、家族や本人の希望を、すり合わせていきました。

徐々に介護が必要となれば、徐々に準備をすれば良いでしょう。
けど、病気などの入院をきっかけに介護が必要となれば、これまでの生活から大きく変わることもあります。
高齢になると、入院をきっかけに、急にできないことが増えることもあります。
介護が必要と感じたら、早めに申請するのが良いでしょう。

あと、はじめのチームに鍼灸師を含みましたが、一般的には、鍼灸師は入っていません。
鍼灸治療は、「介護保険」内では利用できません。
医師の診断があれば一部「医療保険」を利用することはできます。
但し対象疾患が限られているので、全身治療でもしようと思うと、自費になります。

鍼灸が医療として認められていない現状もあります。
実際、私自身もどんな鍼灸師にでもお願いしたいとは思いません。
鍼灸治療が医療として認められるには、鍼灸師の質を上げていくことは大きな課題としてあります。

(院)

1)全国訪問看護事業協会
「訪問看護事業所における看護職員と理学療法士等のより良い連携のための手引き」
https://www.zenhokan.or.jp/new/new1564/

施設か在宅か

いざ「介護」が必要になったときの選択肢として、大きく分けて二つあります。
施設」(特養、老健、グループホームなど)で見てもらうか、「自宅」で訪問介護(ヘルパー)に来て貰うか。
どちらが良いかは、介護を受ける人と、家族や周りの環境によります。

私の父の場合は、入院直後から「せん妄」症状が出ました。
高齢で環境の変化が大きいと、よくあることだそうです。
入院時に、病院からその説明冊子まで頂きました。

せん妄とは、
「時間や場所が急にわからなくなる見当識障害から始まる場合が多く、注意力や思考力が低下して様々な症状を引き起こします。」1)

治療と対策としては、
「せん妄が起きている原因に対しての処置・治療を行い、患者が落ちつき、安心できる環境 を整えます。ほとんどの症例で入院治療を行います。」1)

せん妄は、中枢症状であり、なぜそうなるかは神経伝達物質のアンバランス、神経障害等が考えられています。2)
その準備因子(個人の脆弱性)や誘発因子(外的要因)として、高齢、脳血管障害、感染症、脱水(電解質異常により脳神経細胞の低下)、緊急入院(環境の変化)、アルコール依存、せん妄の既往などがあります。
ちなみに、この上げた因子の全てが今回の父に当たり、成るべくしてなったとも言えます。

コロナ禍の入院では、家族の面会が一切できず、環境調整にも限界がありました。
面会できないということは、その間の家族の負担は減るものの、入院中のサポートは病院次第でもあります。
病院選びも慎重にです。
医療資源がひっ迫していると、それも難しい課題です。

「せん妄」に対して鍼灸に何が出来るか考えますが、入院中に起こることなので、鍼灸が介入できることはまれです。
文献を探しても、多くは中国(病院内で鍼灸も一般的)のものです。

このような「せん妄」状態では、急性期が過ぎてもリハビリは進まず、入院していることが 害 にもなってきます。
すると、次なる選択肢は、介護施設に移るか、自宅に戻るかです。

介護施設では、病院よりは環境調整が可能になります。
施設にもよりますが、普段の生活に近い状況で、細かなケアを受けられることもあります。
しかし、入院前からの環境の変化を考えれば、病院と同じ結果も考えられます。
コロナ禍では、病院同様、家族の面会に制限があるところも少なくありません。
そもそも、すぐに入れる良い施設が見つかるか、見つけられるか問題もあります。

そうなると、住み慣れた自宅に帰って過ごすことが、選択肢に上がります。
入院前からの環境変化が防げ、そして何より自由です。
ですが、状態によっては、家族の協力や医療・介護サービスの利用が必要になってきます。

そして、私の父は、自宅に戻りたいという本人の希望と、家族のサポートも可能ということで、在宅での介護 を選びました。
鍼灸治療も自由に受けられます。

介護が必要となってみないと分からないこともありますが、どうありたいか、本人と家族の希望や同意、予め考えておいた方が良いのでしょう。

でも実際は、必要に迫られて、その時の状況で、選択していくことになるのでしょう。
そんな時に相談できる「介護に詳しい人」を見つけておくことが、大事なのかもしれません。

(院)

 

1) せん妄.
公益財団法人長寿科学振興財団
健康長寿ネット

2) 高齢者のせん妄の機序.
日本老齢医学会雑誌. 2014.