治療院での流行り

治療院では、同じような症状や、同じような患者さんが続くことがあります。

 

現在、大流行の新型コロナウイルスですが、感染の疑わしい人は鍼灸院には来られません。

続いているのは、その感染症患者さんではない、他の症状やつらさです。

 

最近続いているのは、めまい&吐き気&頭痛・首こり、です。

おそらく、暑さの疲れ、熱中症、風邪症状等が加わって、内耳(平衡感覚器)の不調が、顕在化されるのではないかと考えます。

内耳の不調は、自律神経症状として、吐き気などにもつながります。

また、耳鼻咽喉科領域の不調は、頭部や首肩の筋に反射し、頭痛・首凝りにもつながります。

 

そういう「流行り」のような不調は、個人の問題だけでなく、環境(気候等)も影響しているのでしょう。

ですが、環境要因に対しては、対処が難しいこともあります。

環境は変えられなくとも、個人の要素(過労、内耳の不調、筋緊張等)を、改善して、症状を治めてもらいます。

 

そういった気候の影響は関係ないと思われる「流行り」が起こることもあります。

最近、当院で続いているのは、「産後ケア」です。

SORA鍼灸院では、周産期ケアに特化しているわけではありませんが、妊娠前からや、妊娠中からの患者さんが、無事に出産されて、また来院されるケースが、最近続いています。

出産お祝い金のローラー鍼

 

出産は、大きなイベントです。

肉体的、精神的、環境的にも、大きな変化があります。

社会的なサポートもまだ不十分だと感じます。

母親へのプレッシャーもあることでしょう。

それに加え、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少に伴う、心身の不調は多いようです。

しかし、それだけが原因であれば、妊産婦さん全員が、不調に陥ることになります。

そうでないのは、他の要因もあるからでしょう。

 

気候の影響と同じく、対処できないものに解決策を求めるのではなく、それ以外の要因を考えて、治療していきます。

自分でも分からない不調、精神的な症状は、「内耳」の不調が原因になっていることも、多いものです。

 

そう考えると、産後ケアが増えているのも、実は、はじめの「めまい」が増えているのと同様に、環境要因が影響しているのかもしれません。

 

自分でも分からない不調、我慢せず、まずは相談して貰いたいと思います。

 

(院)

気象病には耳鼻咽喉ケア

今日、ここ近畿地方でも、7月を前に梅雨明けしました。
わずか2週間という観測史上最短の梅雨だったようです。
昨日、セミの今年の初鳴きを聞きました。
セミは、季節の変わり目を、しっかり感じ取っているようです。

セミの羽化
昨年の蝉

 

今年の梅雨は、体調を崩す方が非常に多かったように思います。
特に、そんな気候の影響を受けるのが、「耳」に不調のある方。
耳の働きには、平衡感覚と聴覚があります。
めまいやふらつき、耳鳴りや難聴などが、ある方です。
(平衡感覚は、反射的に働くため、自覚に乏しく、その不調に気づいていない人も多いです。)
そこからつながる自覚症状として、眼の疲れ、顎関節症、頭痛、首・肩こり、自律神経症状などもあります。
(平衡感覚は、動眼神経、運動神経、自律神経諸核とも つながりがあります。)

こういった症状を合わせて、「気象病」とか「天気痛」とも呼ばれています。
天気予報で有名な、ウェザーニュースが、これまでに会員の方々と幾度も検証を行った結果、
「気圧の変化が通常のパターンからずれた時に、頭痛や関節痛などの天気痛を感じる方が多い」ようです。
そのデータを基に、「天気痛予報」も発表されています。

 

ウェザーニュース
低気圧や前線で気圧変化
頭痛など伴う気象病「天気痛」に注意
https://weathernews.jp/s/topics/202206/070075/

 

その原因として、耳の奥にある「内耳」が関係していると言われています。
「内耳」が気圧のセンサーとしても、注目されています。
確かに、新幹線や飛行機など、急な気圧の変化で、耳に違和感を感じます。
耳が何らかの影響を受けていると想像できます。

上記のリンクページでは、天気痛の改善に「耳マッサージ」が紹介されています。

くるくる耳マッサージ
引用 ウェザーニュース https://weathernews.jp/s/topics/202206/070075/

反応点治療で考える「内耳」の反応点も、耳たぶ付け根にあります。
耳マッサージで「内耳点」の皮膚も刺激されそうですが、ローラー鍼でコロコロした方が、より効果的に刺激は届きそうです。

併せて、耳周りの筋を緩めれば、頭痛や顎の痛みも緩和されるでしょう。
首や肩がつらい方は、その周辺の筋も緩めます。

 

あと、そんな「耳」の悪くなる方に共通するのが、「鼻」や「のど」の悪さです。
「上咽頭炎」が影響していることもあるようです。
耳と鼻や咽は、耳管(じかん)という管で解剖学的にもつながっていますし、神経支配的にも同じ脳神経(三叉神経・迷走神経)でつながりがあります。

耳と鼻のつながり


「耳」をケアしてもなかなか良くならない方は、「鼻」や「のど」も併せてケアを行ってみましょう。
反応点治療では、それらの器官の不調を見極め、鍼灸治療を行っていきます。

 

気象病、天気痛のある方は、「耳鼻咽喉」がポイントです!


(院)