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気象病には耳鼻咽喉ケア
今日、ここ近畿地方でも、7月を前に梅雨明けしました。
わずか2週間という観測史上最短の梅雨だったようです。
昨日、セミの今年の初鳴きを聞きました。
セミは、季節の変わり目を、しっかり感じ取っているようです。
今年の梅雨は、体調を崩す方が非常に多かったように思います。
特に、そんな気候の影響を受けるのが、「耳」に不調のある方。
耳の働きには、平衡感覚と聴覚があります。
めまいやふらつき、耳鳴りや難聴などが、ある方です。
(平衡感覚は、反射的に働くため、自覚に乏しく、その不調に気づいていない人も多いです。)
そこからつながる自覚症状として、眼の疲れ、顎関節症、頭痛、首・肩こり、自律神経症状などもあります。
(平衡感覚は、動眼神経、運動神経、自律神経諸核とも つながりがあります。)
こういった症状を合わせて、「気象病」とか「天気痛」とも呼ばれています。
天気予報で有名な、ウェザーニュースが、これまでに会員の方々と幾度も検証を行った結果、
「気圧の変化が通常のパターンからずれた時に、頭痛や関節痛などの天気痛を感じる方が多い」ようです。
そのデータを基に、「天気痛予報」も発表されています。
ウェザーニュース
低気圧や前線で気圧変化
頭痛など伴う気象病「天気痛」に注意
https://weathernews.jp/s/topics/202206/070075/
その原因として、耳の奥にある「内耳」が関係していると言われています。
「内耳」が気圧のセンサーとしても、注目されています。
確かに、新幹線や飛行機など、急な気圧の変化で、耳に違和感を感じます。
耳が何らかの影響を受けていると想像できます。
上記のリンクページでは、天気痛の改善に「耳マッサージ」が紹介されています。
反応点治療で考える「内耳」の反応点も、耳たぶ付け根にあります。
耳マッサージで「内耳点」の皮膚も刺激されそうですが、ローラー鍼でコロコロした方が、より効果的に刺激は届きそうです。
併せて、耳周りの筋を緩めれば、頭痛や顎の痛みも緩和されるでしょう。
首や肩がつらい方は、その周辺の筋も緩めます。
あと、そんな「耳」の悪くなる方に共通するのが、「鼻」や「のど」の悪さです。
「上咽頭炎」が影響していることもあるようです。
耳と鼻や咽は、耳管(じかん)という管で解剖学的にもつながっていますし、神経支配的にも同じ脳神経(三叉神経・迷走神経)でつながりがあります。
「耳」をケアしてもなかなか良くならない方は、「鼻」や「のど」も併せてケアを行ってみましょう。
反応点治療では、それらの器官の不調を見極め、鍼灸治療を行っていきます。
気象病、天気痛のある方は、「耳鼻咽喉」がポイントです!
(院)
エアコン清掃で 肩こり予防
つい先日まで暖房をつけていたのに、冷房が必要な季節になりました。
SORA鍼灸院では、寒い間はガスファンヒーター、暑い間はエアコンを使用しています。
しばらく使っていなかったエアコンには、ホコリやカビが繁殖していることがあります。
久しぶりにエアコンをつかうと、それらが空気中を漂います。
さらに季節の変わり目、寒暖差もあって、ノド鼻風邪を引きやすくなります。
喉や鼻の炎症は、その周辺、頭、首、肩まわりの筋肉を反射的に緊張させます。
(内臓ー体性反射)
喉や鼻の炎症 → 迷走神経(三叉神経) → 延髄 → 副神経 → 僧帽筋・胸鎖乳突筋
→ 頸部感覚神経 → 脊髄 → 頸神経 → 板状筋・肩甲挙筋など
その結果、毎年この時期は、喉や鼻を悪くする人、首肩こり、寝違えを訴える人が、増える季節です。
しばらくぶりのエアコンの稼働は、要注意です。
エアコンの清掃や空気の換気をしっかりしてから、使い始めましょう。
ということで、SORA鍼灸院でも冷房を使い始める前に、エアコンのクリーニングをして貰いました。
鍼灸院のエアコンは業務用で、年式も古く、掃除も大変なので、業者さんに頼みました。
前回のクリーニング業者さんは、外枠は外されませんでした。
今回は分解出来るところは全て取り外して、清掃して頂きました。
汚れがたまっていたようで、予定より長く時間をかけてクリーニングして頂きました。
クリーニング前後の違いがいまいちわからないので、載せるか迷いましたが、清掃中のエアコンの内部や部品も。
画像は小さめに…自粛しておきます。
今回、洗浄後に、空気の王様「抗菌・抗ウイルスチタンコーティング」もして頂きました。
今日のような暑い日も安心してエアコンが使えるようになりました。
心地よい空気が漂っています~
(院)
おいしい給食
介護の話題ばかりだったので、たまには息抜きで、マイブームを紹介します。
最近、家族ではまっているのが、「おいしい給食」です。
「給食」がテーマのコメディドラマですが、笑いあり、感動あり、そして「食」について考えさせられることもあります。
1年前のコロナ禍に「劇場版 おいしい給食 Final Battle」を、amazon primeで見たのが始まりでした。
その後、Season1 の連続ドラマを再放送で見て、さらに Season2 が昨年秋に放送され、録画をして欠かさず見ていました。
そして現在、最新作の『劇場版 おいしい給食 卒業』が映画公開されています。
映画『劇場版 おいしい給食 卒業』公式サイト
https://oishi-kyushoku2-movie.com/
先週 5/13 上映開始でしたが、早速先週末、お友達家族と一緒に観てきました。
睡眠不足だったので寝てしまわないか心配でしたが、その心配は全くありませんでした。
主演の市原隼人さんの演技力に今回も圧倒されました。
まだ公開中なので、詳しい内容は書きませんが、「食」への楽しみが伝わってきます。
私たちは、患者さんから、健康に良い「食事」について聞かれることも多いです。
その多くは、栄養面に関してです。
「〇〇の成分が、関節に良い」とか、
「〇〇を食べない方が、アレルギーになりにくい」とか。
確かに、ある成分によって効果を示すことはあるのでしょうが、それだけで身体はできていません。
そして、栄養を取ることだけが、「食事」ではありません。
食事制限の厳しかった、副院長の経験もあります。
私たちは、食べることの楽しみや有難さも、「健康」のためには必要だと考えています。
そういったことが、この映画でも表現されています。
「給食」と言えば、書籍や映画化されるほど、ここ芦屋では力が入れられています。
書籍「芦屋の給食」
https://amzn.to/39ZeRbC
映画「あしやの給食」
http://ashiyanokyushoku.com/
私も子どもながらに、小学校の給食が美味しかったのと、決して残さなかったのを覚えています。
娘の給食の献立表を見ても感心するばかりです。
娘も給食が楽しみで、毎日献立表を携帯し、チェックしています。
つい先日も娘の大好きな「オムライス」でした。
手作りで一つ一つ卵で包まれています。
全校生徒だと大変すぎるので、学年毎に回ってきます。
給食の先生にも感謝です。
そんな作り手の苦労や工夫も感じられる「給食」。
食への感謝の気持ちを忘れないでいて貰いたいと思います。
(院)
嚥下障害による食事の変化
父の以前の生活から大きく変わったのが、食事です。
退院してきた時は食欲がなく、食べたい物も思いつかない、といった状態でした。
体重も入院前から10kg以上やせてしまいました。
脳梗塞の影響で嚥下に必要な筋肉がうまく動かせなくなったことと、長い入院であまり会話できず声も出さずにいたことで咽周りの筋肉が衰え、食べ物を飲み込む力が落ちました。
飲み込むのが難しいので食事に時間がかかり、嚙んだり、飲み込んだりすることに疲れてしまいます。
思い通りに動かせないのか、口の中を噛んでしまうこともありました。
嚥下障害で特に困ったのは、飲み物です。
サラサラした水分はすぐに咽に流れ込んでしまうので、自分のタイミングで飲み込むことができません。
飲むとむせてしまいます。
果汁の多い果物もジュワッと水分が出てくるのでむせます。
飲み込みがうまくできないと、食べ物が気管に入り、気管から痰がたくさん分泌されます。
痰は気管に入る異物を出すために分泌されます。
飲み物でむせる、痰がたくさん出てくることは、嚥下力が落ちているサインです。
父の場合、常に痰が出ていて、食べる度にむせる状態でした。
飲み込むことが難しい時は、食べ物にトロミをつけると飲み込みやすくなります。
言語聴覚士さんにより、飲み込む様子を確認しながら、安全に飲み込めるトロミの濃さや、食べられるものを探す事が続きました。
とにかく食べられるものを食べて、体力をつけることに専念することになりました。
まず、濃いめのトロミが必要と判断されました。
当初は、お茶にとろみをつけて出していましたが、父はほとんど飲んでくれません。
とろみ付きのお茶はまずいのだそうです。
実際にそれを飲んでみると、美味しくありません。
(家族や患者さん、利用者さんにして貰うことは、自分も体験してみると良いです。)
例え飲み込みが安全だとしても、飲まなくなれば、脱水の心配があります。
お茶はあきらめて、水分補給ゼリーや栄養補給ゼリーに切り替えると飲んでくれるようになりました。
さらに食事は、柔らかいとか、細かく切れば良いというわけでもありません。
粒状のカスが咽のポケット(梨状陥凹や喉頭蓋谷)に残れば(咽頭残留)、誤嚥性肺炎の原因になることもあります。
最後に水分で流すことも有効のようですが1)、父はよくむせていたので、ペースト状の食事が勧められました。
でもペースト状のおかずは、あまり食が進まないようでした。
(見た目もあまりよろしくありません…)
代わりに、高栄養のゼリーや豆腐などの介護食なら食べやすいようで、自分から食べてくれるようになりました。
高カロリーで溶けやすいチョコレートも食べやすいようでよく食べてくれました。
好んで食べるものは、不思議と むせにくいこともあるようです。
介護食品を取り扱うサイトには、嚥下力の程度に合わせた、飲み込みやすく、栄養価の高い食品が沢山あります。
ネットで注文するとすぐに届いて、忙しい時も大変助かりました。
先ほどの「トロミ剤」も多種多様で、進化もしています。
家庭にある片栗粉やデンプン系のトロミ剤だと、唾液で消化されて食べるうちにサラサラになってしまいます。
最近主流のキサンタンガム系のトロミ剤なら、粘度が維持され、味や安定性も改善されています。2)
介護用に作られ工夫された食品が沢山あることに驚きました。
そんな飲み込みやすい高栄養の食事のおかげで、父も少し体重が増え、意欲も出てきました。
すると次に課題となったのは、口腔内環境です。
噛まずに飲めるものばかりだと唾液の分泌が悪くなります。
唾液は、口内の抗菌作用、食べ物を飲み込みやすくする作用があります。
また、唾液は食べ物と混ざる事で、舌の味蕾に味覚を伝える役割も担っています。
唾液が出にくくなっているのか、父の味覚も以前とは変わっているようです。
唾液が出やすくなるよう、最近はカスが残りにくいスナック菓子で噛む練習をしています。
咀嚼や嚥下に必要な筋肉は使うことで復活していきます。
口から食べることを諦めずにリハビリを続けることが大切です。
ただ、咀嚼や嚥下が難しい時は、食事に時間もかかり、顎や頬、咽や首の筋肉に負担がかかって、こわばりが出ています。
鍼灸で顔周りの筋肉をほぐすことで、動きやすくなり、また唾液の分泌も促されます。
唾液分泌に関する鍼灸の研究もいくつかあります。
多くが経穴への治療ですが、唾液腺のある顔面部への局所刺激が、他の部位よりも有効であったことも報告されています。
反応点治療でも、頭部、特に咀嚼筋(側頭筋や咬筋)、唾液腺付近の反応点に、アプローチしていきます。
父は、言語聴覚士さんによるリハビリ、私たちによる鍼灸など、いくつかの介入により、嚥下状態や発声状態も改善してきているようです。
だんだんに父の状態がわかってきて、生活のリズムが整ってきています。
生きていくために必要不可欠で、生きがいにもなる「食べること」。
引き続き、見守っていきたいと思います。
(副・院)
2)とろみ調整食品
レスパイト
父の退院から1ヶ月が経ちます。
自宅での生活にも慣れてきて、必要なモノやことが分かってきました。
退院直後は、次々と起こる事態に対応しないといけないので、目の前のことでいっぱいでした。
それが、少し時間が経って落ち着いてくると、その大変さや先の不安も感じるようになります。
これまでの経験だと、災害後や出産後、何か初めての大きな出来事後の心情の変化にも似ているかもしれません。
そんな時に大切にしたいのが「レスパイト」。
訪問介護の仕事を始めた頃に教えてもらいました。
そして、その必要性も。
「レスパイト」(Respite)とは、英語で「小休止」「休息」「息抜き」といった意味の言葉です。
「レスパイトケア」という言葉もあり、
介護する人に提供される計画的、もしくは緊急の、一時的なケアである。
言い換えれば、「ケアする人のケア」である。1)
とあります。
介護の場合、その手段として、介護サービスの利用があります。
デイサービス(通所介護)2)や、ショートステイ(短期入所生活介護)3)は、利用者(介護を受ける人)の支援やリハビリにもなりますが、介護者(介護をする人)の負担を軽減する目的もあります。
また、鍼灸院に通うことが「レスパイト」になっている方もおられます。
介護の疲れを取りに来られたり、介護を受ける人も来られたり、一緒に来られたり。
在宅介護で一人で通うことが難しい人には、私たちが自宅に伺って一緒に治療させて貰ったりもしています。
介護の大変さを知って、ますますその重要性も感じます。
他に、私にとっては、仕事をしている時間もレスパイトになっています。
仕事が忙しいことで、気が紛れることもあります。
介護のことから少し離れられると良いのでしょう。
同じ屋根の下でずっと介護を続けられる人は本当に大変だと思います。
ストレスも、ずっと続くと大変ですが、少し途切れるだけで、助かることもあります。
また、少し離れて客観的に見ることで、見えてくることもあります。
「育児」でも同じようなことが言えるかもしれません。
最近、介護が大変だという内容の投稿になっていますが、介護ができて良いこと、嬉しいこともあります。
もう少し余裕が出来たら、そんな内容の記事を書きたいと思います。
(院)
1) レスパイトケア
2) デイサービス
3) ショートステイ