親の口移しも必要?

第30回アレルギー週間市民公開講座に参加しました。

今月は毎週末、各地で医師によるアレルギー講座が開かれています。

私はWEBで和歌山会場のプログラムに参加しました。


近年、世界中で、しかも先進国で特に増えている「アレルギー疾患」。

アレルギー疾患の対策と、予防についての講演が印象に残りました。


2013年のスエーデンのコホート研究で「乳児期に親の唾液を摂取すると、生後18ヶ月と生後36ヶ月で湿疹の発症が有意に低下した。」という報告があります。1)(スエーデンではおしゃぶりを親が口内洗浄して与える習慣があった)

日本ではどうかというと、和歌山県立大学が大規模な調査をして「赤ちゃんの時に親の唾液を摂取(噛み与えなど)した子供は学齢期においてもアレルギー疾患の発症が低下している。」という報告があります。2)

最近は虫歯菌が親からの感染であることがわかったので、とにかく唾液接触をしないように気をつけていた親御さんも多いと思います。

我が家も、もれなく気をつけておりました…

親に口腔内細菌の知識がある家庭の子どもは、学齢期にアレルギー疾患を有意に発症している、というデータもありました。

唾液は虫歯菌もピロリ菌もうつしてしまうけど、アレルギー疾患を減らすとは、、、


免疫(アレルギー反応)が過剰にならないためには腸内細菌叢が多様であることが必要で、

その腸内細菌叢は3歳までに決定してしまう事がわかっています。

赤ちゃんの時に微生物刺激(色々なバイキンを取り込む)が不十分だと、アレルギー疾患になる可能性が高いのだそうです。

今回は親の唾液でしたが、口からバイキンを取り込むと、腸内細菌の種類が増えるし、免疫細胞も学習できるのですね。

良し悪しは一面では決められないですね。

体の仕組みは奥深いです。

(副)

1) Pacifier Cleaning Practices and Risk of Allergy Development

2) Saliva Contact During Infancy and Allergy Development in School-AgeChildren
 乳児期の唾液接触と学齢期のアレルギー発症

反応点治療研究会 実技講習会2024年

鍼灸講習会 定期開催による「 学ぶ→ 実践→ さらに学ぶ 」のサイクルで知識・技術習得!

痛みはどのように出現するのか?
自律神経とは?
内臓疾患に対する鍼灸治療はどのように行えばよいのか?
鍼をすると体にどのような反射が起こるのか?
など、毎回テーマを変えながら、2か月に1回、講習会を開催しています。

「鍼灸治療を解剖学的・生理学的に紐解いていく」そんな講習会です。

午前は講義・午後は実技の2本立てで、実技は習得レベルに合わせて指導するので、初めての方や学生さんも安心してご参加いただけます。

【2024年度 日程と各テーマ】
第1回 1月21日(日) 反応点とは(総論)
第2回 3月10日(日) 不妊と反応点治療(生殖器系)
第3回 5月12日(日) 胃腸炎と反応点治療(消化器系)
第4回 7月21日(日) 心不全と反応点治療(循環器系)
第5回 9月 8日(日) 平衡感覚・聴覚障害と反応点治療(耳鼻科系)
第6回 11月10日(日) 風邪症候群と反応点治療(呼吸器系)

<午前> 10:00~11:30 反応点治療の概論・各テーマ別の「講義」
<午後> 13:00~16:00 反応点治療の「実技」

【会場】
<午前> 灘区文化センター(神戸市立六甲道勤労市民センター:JR六甲道駅 南接)会議室
    (神戸市灘区深田町4丁目1番39号(メイン六甲Aビル4・5階))
<午後> ミントはり灸院 (JR六甲道駅より徒歩3分・神戸市灘区森後町3丁目1-5-201号)     

【対象者】
鍼灸師・鍼灸学校の学生

【参加費】
鍼灸師 7,000円 / 学生 5,000円 (午前+午後 1回分の金額です。当日会場にてお支払い下さい)

【持ち物】
鍼灸道具(普段使っているもの)・スリッパ・筆記用具。
服装は自由、ラフな格好で結構です。

【お申し込み】
以下のURLか下記チラシのQRコードよりお申込みをお願いいたします。
https://forms.gle/ad6NLHc9sW7S243z7
反応点治療研究会のホームページからもお申込みいただけます。
https://hannoten.com/

 

「講義」だけなら オンライン受講、録画視聴も可能!

午前の講義のみ オンライン受講も可能です
申込者は、1か月限定でアーカイブ視聴も可能です。
当日参加が無理な方も、録画を後でご覧頂けます。
反応点治療を知りたい方、会場での参加が難しい方、日時の都合が合わない方、下記サイトURLかチラシのQRコードよりお申し込みください。

【オンライン講習費】
鍼灸師2,000円 / 学生1,000円 

【お申し込み先】
https://hannouten.peatix.com/

反応点治療関西実技講習会2024年

 

第30回「アレルギー週間」市民公開講座

今年初めての投稿です。

今年も宜しくお願い致します。


元日から続く地震の被害が気がかりです。

2週間が過ぎて、まだ厳しい状況が続いています。

然るべきときに、被災地のためにできることをしたいと思います。


関西では日常がスタートしています。

例年通り、2月の毎週土日には『アレルギー週間市民公開講座』が開かれます。

今年は30回目の開催となります。


関西各地でアレルギー専門医が市民向けの情報を発信してくれる貴重な機会です。

アレルギー疾患の治療や予防について理解を深めてみませんか?


講座は無料ですが、事前申し込みが必要です。

WEBでの参加もできます。

詳しくは『日本アレルギー協会 関西支部』HPから『第30回「アレルギー週間」市民公開講座』をご覧ください。

アレルギー市民講座2024


写真は神戸会場のチラシです。

その他、大阪、京都、滋賀、奈良、和歌山でも開催されます。

どの会場でも受講できますし、複数受講も可能です。

全てアレルギーに関する情報ですが、各地講演内容が違うので、ご確認ください。

(副)

寒くなると増える心疾患の予防に鍼灸

朝晩の寒さがこたえる季節になりました。
つい先週まで暖かかったので、急な変化に対応するのに、体も大変です。

寒い季節に増えるのは「心疾患」です。
急な気温の低下で血管が収縮し、元々動脈硬化があれば、血管が詰まりやすく、心筋梗塞が誘発されます。

寒さで風邪もひきやすくなります。
風邪による、気管支や肺の炎症は、反射性に心血管を収縮させるので、風邪の時に心疾患が増えてきます。

心疾患や脳梗塞の原因となる動脈硬化は、なんと40代には、ほぼ全ての人にみられます!
早めの対策が必要です。

心臓の栄養血管(冠状動脈)の血流改善や、高血圧、動脈硬化の改善には、運動や鍼灸がおすすめです。 
どちらも血流を良くして血管を柔らかくします。

鍼灸は血管拡張を促すので、血流改善や循環改善が得意です。
血管が拡張すれば血圧も下がります。
良い血流を保てば、血流によって血管が刺激され、血管平滑筋がゆるんで、硬化してしまった血管も柔らかくなります。
また、免疫細胞に働きかけて、風邪を予防します。

鍼灸は、ほぐす、緩めるのは得意ですが、筋肉を鍛えるのは苦手です。
心肺機能を保ったり、全身の循環を助ける骨格筋を維持するためには、運動も必要です。

寒い季節も安心して楽しめるように、鍼灸と運動を是非取り入れてみてください。

 

(副)

 

ピロリ菌はいかに?

以前、ピロリ菌の除菌治療をした記事を書きました。

ピロリ菌の除菌治療
https://sorashiya.com/eradication-of-h-pylori/

 

実際に除菌できているかを確かめるには、服薬終了後、1か月以上経過して検査が必要です。
その検査に行ってきました。

今回は、「尿素呼気試験法(UBT)」という検査を実施しました。
その検査法の流れとしては、

  1. 容器に息を吐いて、呼気を採取します。
  2. 試験薬を飲みます。
  3. 20分ほど置いてから、再び呼気を採取します。

そんな息を調べるだけで、どうやって菌がいるのが分かるのか?と思いましたが、イラストのような原理のようです。

尿素呼気試験の原理
大塚製薬「ピロリ菌の検査と除菌治療」より

 

患者さんへの侵襲性(検査に伴う痛みや苦痛などの負担)も少なく、
感度(病気がある人をあると検出する確率)97.7~100%、
特異度(病気の無い人を無いと検出する確率)97.9~100%と、
ともに精度の高い検査です。

 

ちなみにその検査は、除菌治療から検査前までに、

  • 抗生剤、プロトンポンプ阻害薬(PPI)を服用していない
  • 8時間前から絶食

しておく必要があります。

正確な判定をする為には、正しく検査を受ける為の「準備」があります。
当日検査できるからと言って、何も下調べせずに、当日ポッと行かないようにしなければいけませんね。
(そのつもりでしたが、何となく疑問に思って調べて正解でした。)

 

そしてその検査結果は…
陰性」でした!

つまり、「ピロリ菌はいないだろう」、
という結果になりました

 

もし「陽性」となれば、ピロリ菌除菌の再治療が必要でした。
前回の経験から、気が進まない治療でしたが、しなくて済んで、一安心です。

 

ただ、お医者さんからも伝えられましたが、ピロリ菌がいなくなったからと言って、胃がんのリスクが急になくなるわけではありません。
これまで40年?近く存在していたわけで、胃粘膜が荒らされている可能性もあります。
除菌後もしばらくは、内視鏡検査などを勧められました。
そして、成人になってからの再感染は少ないようですが、免疫力が落ちているときに入ってくると、また感染する可能性も0では無いようです。
衛生状態が悪いものの飲食は、注意です。

 

それと、ピロリ菌で抑えられていた(中和されていた)胃酸の分泌を、過剰に感じるかもしれません。
つまり症状としては、胃のむかつきや、胸焼け、逆流性食道炎などです。
それも時間と共に落ち着いていくことが多いようです。
きっと身体が適応していくのでしょう。
実は最近、みぞおち辺りや就寝時に寝返りが痛く感じるのは、その影響かもしれません。
食道をセルフケアして、穏やかに治まることを願っています。

 

ただ、こうして不調があると、身体のことを大事にするようになりました。
若い頃のように、日にちが経てば知らないうちに治っていることも少なくなく、時間を要するようにもなりました。
痛みや不快感は、からだのSOSかもしれないので、無視しないようにしたいと思います。

 

今回の検査、治療、検査で学んだこと

  • 自分の身体のことは、よくわかっていない
  • 検査や治療は、調べてから受けよう
  • 無病息災より、一病息災

 

(院)

ローラー鍼刺激による睡眠状態の変化

患者さんは鍼灸治療を受けると「良く眠れた」とよく聞きますが、実際にその効果はどうなのでしょうか?
また、睡眠をより良くする効果的な治療ポイント、セルフケア方法などが分かれば、実践してもらいやすくなります。
そこで、反応点治療でよく用いるローラー鍼刺激が、睡眠に与える影響を調べました。

 

睡眠障害に対する鍼灸治療の効果の研究では、睡眠評価の多くが主観的、つまり被験者(患者さん)自身がどう感じたかになります。
患者さんがどう感じるかも大事なのですが、その評価はいい加減なところもあります。
自分のことは分かっているようで、分からないことも多いものです。

患者さんの「良く眠れた!」が、本当にそうなのかを調べる為には、その睡眠状態を客観的に示す必要があります。
その方法として、今回、ウェアラブル装置(Garmin社製, Venu Sq Music)を用いました。

以前から、このスマートウォッチに睡眠モニタリングという機能があることは知っていました。
心拍数、HRV(心拍変動)、呼吸、活動レベルなどのデータをもとに、睡眠を3段階(深い睡眠・浅い睡眠・レム睡眠)に評価します。
自分でも良く眠れたと思った時は良く眠れた評価(深い睡眠時間が長い)で、いまいちだなと思った時はいまいちな評価(浅い睡眠時間が長い)でした。
気がかりなことがあると、よく眠れていない実感と評価も一致していました。

 

患者さんで検証する前に、まずは自分たちで試しました。
介入(施術)は、反応点部位へのローラー鍼刺激です。
患者さんご自身でケアできることを想定して、部位をいくつか絞り、刺激量も一定(5分間)刺激で検証します。

比較するのは、
・内耳点を刺激して寝た群
・鼻反応点を刺激して寝た群
・何もしないで寝た群
で、1週間ずつ記録します。

なぜ内耳点かと言うと、平衡感覚の失調が、自律神経機能を乱すと考えるからです。
めまい発作時は、寝てても頭を動かすと、目が回ります。
平衡失調の程度は大なり小なりありますが、その情報は睡眠障害の一つにもなると考えます。
めまい症と睡眠障害の関係性もいくつか報告されています。1)

次に、内耳点の刺激効果を調べる為には、それと比べる対照が必要です。
今回、その対照群には、何もしない無刺激群と、異なる部位として鼻の刺激群を設定しました。

それぞれの、
・総睡眠時間
・ピッツバーグ睡眠評価票(毎週)
・レム睡眠、浅い眠り、深い眠り(時間数)
・呼吸数(brpm)
・血中酸素(%)
を評価項目として睡眠状態を比較しました。

 

結果は…

まず、就寝時刻と起床時刻をできるだけ一定にしたので、総睡眠時間にほとんど差はありません。
主観的評価(ピッツバーグ睡眠評価票)もほとんど変わらず、呼吸数、血中酸素も一定でした。(個人差はありましたが、同じ人での群間差はほぼありませんでした)

そして睡眠段階として、深い睡眠時間と、浅い睡眠(レム睡眠)時間(分)はこちら。
(平均値 ± SD)

内耳点刺激で、若干の改善が見られましたが、それが偶然で無いかどうかは、もっとデータ数が必要です。

つまり、「内耳点にローラー鍼刺激をすれば良く眠れる!」と言えるかというと、まだ証拠不十分です。
それには、いくつか検証する必要があります。 

 

まず、このスマートウォッチの睡眠評価に、妥当性、信頼性があるか?
正確な睡眠評価を行うならば、脳波を調べる必要があります。
個人で導入するには難しいので、やはり簡易的な計測になりますが、
脳波で調べた場合と比較したい所です。

そして、今回たった二人のデータで、その二人が治療者でもあります。
その効果が、鍼灸の純粋な効果を示しているかは、あやしいところもあります。

その理由の一つに「プラセボ効果」があります。
被験者が良くなると思ってその介入(施術)を受けると、良くなるものです。
不眠症に対する過去の研究でも、実薬と偽薬を比較するとその差がなかった、つまり偽薬でも薬と同じような効果があったという報告もあります。2)
つまり、良く眠れると思えば、よく眠れることもあるということです。
そのプラセボ効果が働かないように、被験者も、試験者も、その介入が分からないようにするのが、二重盲検法です。

ただ、鍼灸の比較試験では、それが難しいとされています。
薬の場合、その薬効成分の入ったものと、入っていないものを、同じように飲むこともできます。
それが、鍼灸の場合、受けたことと、受けていないことを、それぞれに分からないようにすることは、困難です。
偽鍼といって、刺さない鍼を対照群とすることもあります。
が、刺さなくても効果が出ることはあるので、鍼灸の純粋な効果を示すことは難しいのです。

 

そういういくつかの制約や限界はありますが、それでも効果が出ることは、意味のあることだと思っています。
あとは、その鍼灸(反応点治療)単独の効果や再現性を、いかにクリアに示せるかです。

 

(院)

 
1) 許斐 氏元, 鈴木 衞, 小川 恭生, 他. ピッツバーグ睡眠質問票日本版を用いた めまい患者における睡眠障害の検討. Equilibrium Res Vol. 73(6)502~511. 2014.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jser/73/6/73_502/_pdf

2) Alexander Winkler et al. Effect of Placebo Conditions on Polysomnographic Parameters in Primary Insomnia: A Meta-Analysis. SLEEP, Vol.38, No.6, 2015.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4434559/

 

日本人の睡眠障害とその評価方法

私たちの所属する 反応点治療研究会 では、毎月勉強会があります。
いろんな先生の持ち回りで症例報告や研究発表を行います。
私(院長)の担当は、8月でした。

 

毎年、何をテーマに発表するか悩みますが、今年は「睡眠」にしました。
患者さんの訴えとしても多く、日本人の7割が睡眠に満足していないという報告もあります。
OECD加盟33か国で日本の睡眠時間が断トツのワースト1位であることはご存じの方も多いと思います。
その睡眠障害による経済損失は15兆円(GDP比で約3%)にものぼる「不眠大国」として、世界でも認識されています。1)

また、睡眠障害は様々な疾病につながることも指摘されています。
うつ病などの精神的疾患から、糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスク要因になることも言われています。2) 

その睡眠障害は認識しにくいものですが、最近の国内の研究では、熱帯夜による睡眠障害が、熱中症の健康被害に匹敵するという報告もありました。3)

 

そんな睡眠障害に対する、鍼灸治療の研究も数多くありますが、その評価は主観的な指標であるものがほとんどです。
今年の全日本鍼灸学会の一般演題でも、3題程見かけましたが、その評価方法も被験者自身が眠りを評価する「ピッツバーグ睡眠評価票」でした。

 

客観的な指標としては、医療機関で脳波を調べる検査がありますが、普段の睡眠状態とは大きくかけ離れてしまうことも指摘されています。
自宅で簡単に脳波を調べるサービスもありますが、それなりに費用もするので、個人で継続して試すにはハードルが高いものです。4)

 

そんな背景に対して、現在、個人で睡眠状態を測定できるウェアラブル装置、いわゆるスマートウォッチなどが登場しています。
ウェアラブル端末は若年層に受け入れやすく、睡眠習慣への関心を高めるツールとして有効であるという報告もあります。5)

 

私も1年ほど前から装着していて、自分の感じる睡眠状態(主観)と、スマートウォッチが測定する睡眠状態(客観)は、一致しているようにも感じます。
そして実際、その測定された睡眠状態を見て、良い睡眠を取るように心掛けることもありました。

 

これらを踏まえて、今回、ウェアラブル装置を用いた睡眠評価の妥当性を検討するとともに、私たちの反応点治療が、睡眠状態にどのように影響を及ぼすのかを調べてみました。

 
(続く)

 

1) よく眠る会社が勝つ 睡眠はもう個人だけの問題ではない
https://forbesjapan.com/articles/detail/51406

2) 駒田陽子, 井上雄一. 睡眠障害の社会生活に及ぼす影響. 心身医学. 47: 785-791. 2007.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/47/9/47_KJ00004675970/_pdf

3) Tomohiko Ihara, et al. Lossofdisability-adjustedlifeyearsduetosleepdisturbancecausedbyclimate change. Sleep and Biological Rhythms volume 21, pages69–84. 2023.
https://link.springer.com/article/10.1007/s41105-022-00419-z

4) 株式会社S’UIMIN 睡眠計測サービス「InSomnograf(インソムノグラフ)」
https://www.suimin.co.jp/

5) 葦原摩耶子, 飯田葉月. ウェアラブル端末を用いた睡眠習慣変容プログラムの試み. ジュニアスポーツ教育学科紀要. 6: 1-8. 2018.
https://kobe-shinwa.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=2667&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1

 

ピロリ菌の除菌治療

日本人に最も多い死因の「悪性腫瘍」(がん)。
その中にも、ある程度、予防できるものがあります。
いわゆる感染症で、その原因ウイルスが判明しているものです。

子宮頸がん ー ヒトパピローマウイルス(HPV)
肝臓がん ー 肝炎ウイルス
胃がん ー ピロリ菌

ワクチンで防げるもの、感染を防ぐことが出来るもの、除菌して予防できるものがあります。
その除菌できる一つが、ピロリ菌です。

前回、人間ドックで、私の胃にはピロリ菌が存在することが判明しました。
それが原因かもしれない?、鉄欠乏性貧血もありました。
ちょうど授業も無く、お盆休みも重なり、治療期間に最適だったので、すぐに消化器内科を受診しました。
診察の結果、痔、貧血、そしてピロリ菌除菌を、同時にしていくことになりました。

 

ボノサップパック

 

ピロリ菌治療に5錠、貧血に2錠、痔に2錠、計9錠も1回で服用することに。
過去にこれほどの量の薬を飲んだことはなかったです。
食後に薬を飲むのが苦痛になり、患者さんの気持ちも察します。

ピロリ菌の除菌治療は、何人かの患者さんからその大変さを聞いていました。
菌を殺すためには、抗生物質を服用します。
その効きを良くするため、胃酸の分泌も抑えます。
そしてピロリ菌だけが駆除されれば良いですが、良い菌も犠牲になるのでしょう。
腸の環境や動きが乱されます。

私も薬の飲み始めは、副作用がしんどかったです。
お腹がずっと張って、腰痛、腹痛にもなるし、食欲も減りました。
仕事中も、お腹がゴロゴロ鳴っていました。
ずっと住み着いていたピロリ菌が、悲鳴をあげて必死に抵抗しているようでした…

振り返ってみると、ガスが溜まって腹壁を緊張させるのが、苦しかったように感じます。
こまめにガス(おなら)を出せると良いのかもしれません。
(と気づいたのは3日目くらいでした…)
あとは、腹筋を緩める鍼灸治療もお勧めです。
 

そんなピロリ菌除菌薬の服用期間は、5日間。
この薬による除菌成功率は、8~9割くらいに達します。
つまり、1~2割は除菌できず、また改めての治療になるようです…

 

治療の結果は、服薬終了後、1か月以上経過してから再検査です。
除菌されていることを心から願います。
鍼灸で出来るケアも続けます。

 

9月以降、経過はまたご報告します!

 

(院)

 

貧血の原因は?

前回、人間ドックの結果待ちの時に、貧血が判明しました。
1か月後に送られてきたその人間ドックの結果を見てみると…

 

まず、献血の1週間前の採血だったので、やはり貧血でした。
そして献血時には不明だった、その原因も鉄欠乏性貧血だろうと。
血清鉄(血液中の鉄分)がかなり低かったです。

 

ただ前回も書きましたが、決して、食生活が悪くて鉄分摂取不足だとは思えません。
独身の時より、格段に良くなっていると感じます。
では、その原因は?

 

貧血で考えなければいけないのは「どこかで出血が起こっていないか」です。
鉄剤の補給で貧血が改善されたとしても、出血があれば根本的な解決にはなりません。
自覚できる出血はその改善ですが、自覚できないものとしては、内臓、消化管からの出血を疑います。
私は、自覚できる痔核があるので、その原因は一つ上げられます。
ただ、それ程の出血ではなく、今回の便検査でも出血は認められず、他の消化管からの出血の可能性も低くなります。
その原因として何があげられるでしょうか?

 

実は、今回の人間ドックの目的の一つに、ピロリ菌(H. pylori)の検査がありました。
私の母は胃がんで亡くなっています。
現在、胃がん最大の原因は、ピロリ菌ということが分かっています。
ピロリ菌の感染は、衛生環境の悪い水や食事、そして親から子への口移しなどで感染すると考えられています。
私も、感染している可能性は高いと考えられます。
(ちなみに、ピロリ菌の主な感染時期は乳幼児期でそれ以後の感染は少ない。1)
 つまり、夫婦間、大人同士の感染は無いようです。
 幼少期が同じ環境であった兄弟姉妹に感染者がいると要注意です。)

 

今回のピロリ菌の検査結果は…
「要医療」でした。
今回血液検査でピロリ菌抗体を調べたところ、疑いようもない位、高値でした。

さらに胃バリウム検査の結果も、聞きなれない「粗大レリーフ」という言葉が…
普通より太いシワのことのようで「慢性炎症など胃の病気も考えられ、自覚症状があれば要検査」とのことですが、もはや自覚症状はあてになりません…

 

そして、このピロリ菌が、貧血の原因にもなるそうです。
鉄分の「摂取」不足でなければ、「吸収」不足です。
食物中の鉄が、効率よく吸収されるためには胃酸とアスコルビン酸(ビタミンC)が重要ですが、ピロリ菌感染した胃粘膜ではそれが少ないこと。
また、ピロリ菌の感染者では、胃粘膜でのラクトフェリンの量が増加しており、ラクトフェリン内の鉄を供給源として増殖するため鉄欠乏になりやすいこと。
などが挙げられます。
「いくつかのメタ解析では、ピロリ菌感染が鉄欠乏性貧血のリスクであること、鉄剤投与に加えて除菌治療をおこなうと有意に鉄欠乏性貧血が改善することが報告されている」と、日本ヘリコバクター学会の治療ガイドラインにも記載されています。1)

 

ピロリ菌感染の可能性も薄々気づいていながら、なぜ今まで検査しなかったのか?
なぜこの検査がもっと一般的でないのか?
人によってそのリスクは異なるので、その人にあった検診は必要なのでしょう。
(日本ヘリコバクター学会では、中学生以降の検査、除菌が推奨されています。1)

今や胃がんの予防に、ピロリ菌の除菌は強く推奨されています。
正しい知識や情報を得ることは必要です。
自覚症状が無ければ…と思っていても(私もそうでした)、それはあてになりません。
自覚症状が出たときは、もう手遅れのときもあるかもしれません。

 

悔やんでもしょうがないので、これから対策です。
早速、ピロリ菌の除菌治療を始めました。

 
(また続く)

 

1) H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版
https://www.jshr.jp/medical/guideline/index.html#sup2016

人間ドック と 貧血

会社員の頃は毎年健康診断がありましたが、自営業になると自ら受けに行かねばその機会はありません。
しばらく未検診でしたが、40歳を過ぎると市の特定検診が始まり、そちらを受けるようになりました。
ただ、それも身体測定や尿検査、血液検査は献血していると分かるような項目ばかりで、不要かなと思ってました。

 

特に自覚症状は無かったのですが、気になっていることもあったので…
今年は、健康チェック(3時間人間ドック)を受けてみました。

芦屋市 健康チェック(3時間人間ドック)
https://www.city.ashiya.lg.jp/kenkou/kenkoucheku.html

 

検査はスムーズに進み、その場で分かる血圧や身体測定、診察では、問題なし。
詳細な結果は、1か月後に送られてくることに。

 

その結果待ちの期間に、最近リニューアルした三宮の献血センターに行きました。
いつも通り、体調良好の欄にチェックも入れて、事前の検査をしたところ…

「今日は貧血で献血できません」とのこと。

ヘモグロビン濃度が基準値以下でした。
「鉄分ゼリー」と「献血にご協力いただけなかった方々へ」という冊子を渡されます。

 

学生の頃は、多忙と栄養不良もあって、同じく貧血で献血を断られることもありました。
が、今や健康であることが売りの鍼灸師となってからは、ショックです…
いたって健康だと思っていましたが、自覚症状もあてになりません。

 

貧血の原因は、最近も忙しかったし、鉄分が足りていなかったのかなと。
ただ同じ食生活の妻が貧血ではないということは?

 

そして今月始め、人間ドックの結果が送られてきました。
その結果は…

(続く)