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親の介護が始まりました
今週、昨年4月から始まった学校での授業が終わりました。
学生さんのテスト結果も良くてホッとしています。
次年度以降は今年度のくり返しで、少し余裕ができるかなと思っていたら…
父の介護の始まりです。
今回の脳梗塞と約1か月半の入院生活は、厳しいものでした。
入院前のように一人での生活は難しく、介護サービスを利用しての生活が始まりました。
病気や介護は予防が大切です。
そうならないようにケアするのが大事なのですが、自分の親に至っては不十分でした。
身近な家族のケアや介護の難しさも感じます。
過ぎた過去の生活習慣も変えられませんし。
それよりも、これから何が出来るか。
介護が始まると、これまでの生活も一変します。
記事を書いている時間も惜しいです。
落ち着いてからまとめるのも考えたのですが、その最中に思うことは多いです。
それと隠しがちな介護のことを、周りの人に知ってもらうことも大事かなと思います。
学生にも、インプットだけでなく、アウトプット=人に伝えることが大切だと度々 伝えています。
(私が苦手なのもありますが…)
間違いや失敗もあるかもしれませんが、それも学びです。
鍼灸師と少し介護士の目線で、親の介護を通して感じたことや出来ることを、書き残していきたいと思います。
それが、同じく今、介護をしている方や、いつか介護が始まる方のお役に立てば幸いです。
介護は大変です。
嫌なことに目を向ければいくらでも見えてきますが、その中でも良いことを見つけていきたいと思います。
そして気負わず、たまに気も抜きながら、ぼちぼち更新していきます。
(院)
疲労にも鍼灸
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疲れていますか?
コロナ禍、風邪は引かなくなったけど、「なんか疲れたな~」、「しんどいな~」という方は増えているように感じます。
今週、そんな鍼灸院でもよく出会う「疲労」をテーマに、授業をしました。
「今、疲れている人?」と質問すると、8割近くの学生が手を挙げました。
ですが、世界的にはそうでもないようで、アメリカで同じ質問をしても「はい」と答えるのは、1割未満だそうです1)。
アメリカでは疲れたら休むのが常識のようで、「疲労」については、研究対象になりにくいようです。
疲労の概念に変化
ところが、日本では深刻で、「KAROSHI」がそのまま単語になるくらい、大問題です。
そこで、日本の疲労研究が世界をリードしはじめます。
疲労の原因物質が特定されたり、これまで主観的だった疲労を客観的に示せるようになり、従来の疲労の概念も変化してきています。
その一つ、かつては乳酸が疲労の原因とも言われていましたが、現在、それは否定されています2)。
運動強度の指標にはなりますが、疲労物質にはなりません。
むしろ、エネルギーの再利用、疲労回復にも役立っていることが分かっています。
疲労の原因、引き金となるのは「活性酸素」とされています3)。
また、「疲労回復」を謳っていた栄養ドリンクの効能も、「疲労感の軽減」と表記されたりしています。
つまり、疲労感を軽くさせても、疲労は回復していなかったということです。
むしろ、疲労感なき疲労が、過労死やうつ病を導くとも言われています。
ストレスによって、疲労感が抑えられることもあります2)。
ストレスを受けたときに分泌されるコルチゾールやアドレナリンによって、疲労感の原因となる炎症性サイトカインを抑制し、疲労を感じなくさせるようです。
ランナーズ ハイはその分かりやすい例ですね。
疲労の予防と回復
では、その疲労を根本的に予防や回復するためにはどうすれば良いでしょうか?
やはり「休む」ことです。
そんなことは当たり前なので、効果的な休息を考えます。
よく聞く神経疲労も、同じ神経回路ばかりを使っていると、シナプス間の神経伝達物質の枯渇が起こり、閾値が上がります。
閾値が上がれば、反応も鈍くなり、パフォーマンスも低下します。
それを防ぐには、その神経回路を使わない、つまりは休むことに他ならないのです。
特に細胞体の小さい脳神経は、顕著です。
神経の性質から考えても、広くまんべんなく使う、「飽きた」と思う前に休むことが、効果的なのです。
(疲労の兆候として、飽きる、眠くなる、パフォーマンスの低下が挙げられています。)
120分作業して30分の休息を取るのにも、40分作業して10分休むのを3回繰り返した方が、作業効率は良くなります。
また、前述した近年の日本での疲労研究の進展により、疲労因子FF(Fatigue Factor)と疲労回復因子FR(Fatigue Recover factor)が発見されています。
疲労度を客観的に表すことも可能になっています。
それが、ヒトヘルペスウイルスのHHV-6、HHV-7です。
疲れた時に口の周りに出たりする、あの原因ウイルスです。
唾液に出てきたヒトヘルペスウイルスの量を調べることによって、疲労の程度が見える化されます。
そんな疲労研究の進展により、効果的な疲労回復方法や予防法も分かってきています。
疲労回復方法
具体的な方法としては、こちらで分かりやすく紹介されています。
こちらには、実践編として、疲労を予防するコツ(食事編)、疲労をとるコツ(睡眠編)、疲労を避ける・溜めないコツ(環境編)が挙げられています4)。
興味のある方はそちらを読んで頂くか、私たちにお聞きください。
疲労に鍼灸は有効か?
ここでは、鍼灸師の目線で疲労回復を考えてみます。
まず、疲労回復の大前提に「休む」があります。
鍼灸治療を受けられる時点で、休息になります。
ただし、施術を受けられる環境や、施術スタイルにもよるでしょう。
鍼灸院までに何時間もかけて、数分の施術時間では、その通院がむしろ疲労につながることも考えられます。
そういう意味で、疲労回復を目的として鍼灸院に通われる場合は、通いやすさや施術内容も選ばれた方が良いでしょう。
どんな施術が疲労に対して有効かは、上記の書籍4) にヒントがあります。
鍼灸を受けて、よく眠れるようになったり、ご飯が美味しく感じたり、リラックスできるようになったということはよくあります。
鍼灸治療で、睡眠の質をあげたり、疲労回復効果のある栄養を吸収しやすく胃腸を整えたり、またその回復を促すような施術環境を提供することが、疲労に対する施術と言えるでしょう。
食事や環境となると、日頃の過ごし方が大事なので、その人に合った情報をアドバイスできることも重要です。
鍼灸で疲労回復のポイント
もう少し、施術内容について考えてみましょう。
疲労に関係する臓器の消耗や機能低下に、リン酸化eIF2α(=疲労因子FF)が広く関係することが示唆されています。
さらに「肝臓におけるインターロイキン1β(IL-1β)の産生が他の臓器に比して圧倒的に多く、疲労感の発生には、肝臓におけるeIF2αのリン酸化が主要な働きをしていると考えられた」5) とあります。

確かに、疲れている人の肝臓の反応点は顕著です。
肝臓に限らず、臓器や組織の機能低下が「疲労」と言えます。
それら疲労因子が誘導する炎症性サイトカインの影響を受けた各部位の機能を改善させることも、疲労に対する治療と言えるでしょう。
反応点治療では、西洋医学的な各臓器に対する施術を行います。
疲労に対して、対症療法としてその反応点の見られる各臓器に、根本治療として「肝臓」反応点への施術が考えられます。
疲労がもっと一般的に見える化されて研究が進めば、疲労の回復や予防に、鍼灸も一つの候補になることでしょう。
(院)
参考文献
1) 疲労の分子神経メカニズムと疲労克服. 渡辺恭良.
2) 疲労ちゃんとストレスさん. 近藤一博.
3) すべての疲労は脳が原因. 梶本修身.
4) すべての疲労は脳が原因2<超実践編>. 梶本修身.
5) 疲労による健康障害の分子機構に基づく予防法の開発. 近藤一博.
帯状疱疹の痛みに鍼灸
最近、帯状疱疹になられる方が増えています。
帯状疱疹は疲労等で免疫力が落ちた時に発症します。
コロナ禍もあり、疲れが溜まっていたり、体力低下が増えているのだと想像します。
一般的には、痛み対策として鍼灸を選ばれますが、帯状疱疹の痛みに鍼灸が効くと知らない方がほとんどではないでしょうか。
帯状疱疹の皮疹が無くなっても残る痛みは「帯状疱疹後神経痛」と言われます。
帯状疱疹の皮疹によって、神経が障害されて起こる痛み(神経障害性疼痛)だと考えられています。
神経が障害されているからしょうがない、痛みと付き合っていきましょう、となってしまいます。
でも最近では、帯状疱疹に関連する痛みのほとんどが「筋膜性疼痛」ではないか、と考えるお医者さんも増えています。
山下クリニック コラム
「帯状疱疹の痛みは誤解されているのではないか」
http://www.yamashita-painclinic.com/taijou01.html
一般社団法人 日本整形内科学研究会
https://www.jnos.or.jp/for_public
皮膚や皮下組織、筋膜が痛いのならば、ほぐせば治まります。
鍼灸では皮膚や筋肉の歪み、コリ、つっぱりを取っていきます。
すると痛みが和らぎ、回復していきます。
水膨れが落ち着いて、乾いていたら施術できます。
なるべく早く施術することで、皮疹を速く治し、皮膚や筋膜などに歪みができる事を防ぎます。
痛みは、内臓の不調からの反射(内臓ー体性反射)でも起こるので、関連する内臓の施術も重要です。
体の片側だけに感じる痛み、発疹に気付いたら、なるべく早く皮膚科を受診してください。
診断がついたら、鍼灸で痛み対策、免疫力対策をしましょう。
(副)
花粉飛散予測とアレルギー講演会
そろそろ花粉の季節が近づいてきました。
「花粉飛散予測 第3報」の今年の花粉飛散量は下のようになっています。
北海道は4月中旬~5月に飛散するシラカバ花粉の量を表しています。

近畿では2月中旬頃から花粉が飛び始めるそうです。
花粉症は症状が出る前からの対策で過ごしやすさが変わります。
目や鼻、喉の粘膜が整い、潤いが保たれていれば、異物が血中に取り込まれて免疫細胞に見つかり炎症が起きる事を防げます。
アレルギーを持っていても、免疫細胞に見つからなければ炎症は抑えられます。
症状が出だすと、炎症を起こす免疫細胞がどんどん作られ始めるので、免疫細胞が作動して症状が出る前から粘膜を強くしておく事が大切です。
鼻や喉の粘膜強化は、コロナウイルス感染対策にもなります。
特にオミクロン株は喉の炎症が多く、肺炎にはなりにくいと言われています。
こまめな水分補給やうがい、鼻うがいは、鼻や喉にウイルスが留まって感染するのを防ぐ為にします。
粘膜が潤って、しっかり粘液を出せていれば、自力でもウイルスを洗い流せます。
免疫力とはバリア力とも言えます。
ぜひ今日から、目、鼻、喉の循環を良くするケアを始めてみて下さい。
2月のアレルギー週間では
「コロナウイルス感染症とアレルギー疾患」
というテーマのオンライン講演会も開かれます。
参加は無料ですが、事前申込みが必要です。
興味のある方は、日本アレルギー協会HP をご覧下さい。

(副)
第28回アレルギー週間市民公開講座
もうすぐ2月ですね。
今年も日本アレルギー協会主催による「第28回アレルギー週間市民公開講座」が全国で開かれます。
今年はWEBでの受講もできます。
参加は無料ですが、事前申し込みが必要です。
詳しくは、日本アレルギー協会HP、関西地区は、日本アレルギー協会関西支部HPをご覧ください。
体には、入ってくる異物を攻撃する免疫細胞だけでなく、過剰な免疫反応を抑える免疫細胞(制御性T細胞(Tレグ))が存在します。
アレルギー疾患のある人はこの制御性T細胞(Tレグ)が少ないのではないかと言われています。
大阪大学の坂口志文先生の著書「免疫の守護者、制御性T細胞とはなにか」にアレルギー疾患が増えた原因が推測されています。
『社会が衛生的になると、異物に接する機会が減るために、免疫はあまり鍛えられない。免疫系があまり刺激をうけず、病原体を攻撃する能力が十分に訓練されなくなる。』
『同時に衛生的な環境では免疫の過剰反応を抑える力も鍛えられない。』
『軽いおもりでバランスをとるやじろべえは、わずかな変化で一気にバランスを崩す。免疫系の全般的な機能低下で免疫系のやじろべえが不安定な人が多くなっているのではないか。』
アレルギー対策には、ある程度異物を取り込みながら免疫を鍛えていく必要がありそうです。
私たちの行う反応点治療では、アレルギー対策に肝臓と腸の施術をします。
過剰な免疫反応を抑える免疫細胞(Tレグ)は、腸で作られます。
肝臓は、腸で作られる免疫細胞の司令塔として調整したり、
ウイルス感染した細胞や老化した細胞を貪食してくれるNK細胞を増やす働きがあります。
肝臓と腸の働きを助けて体が免疫のバランスを取りやすくなるよう促します。
様々なアレルギー症状に対処するために、症状が出る前からケアできると効果的です。
肝臓と腸のケア、おすすめです。
(副)