お腹の張りやガス対策

急に寒くなりましたね。
治療院には、お腹の張りやガスでお困りの方が多く来られます。
そういう方は、だるさや倦怠感も感じておられる事が多いです。
善玉菌入りの食品をとって、かえって不調になることも多いです。
お腹をみせて頂くと、小腸の反応が悪くなっています。

最近読んだ本で参考になるのもがありました。

『腸内細菌の逆襲 お腹のガスが健康寿命を決める』
 江田 証
(幻冬舎新書)

本によると、大腸内の腸内細菌は100億〜1兆個に対して、小腸内では正常で10万個以下で、大腸に比べて少なく保たれています。
栄養はほとんど小腸で吸収されています。
小腸は素早く激しい蠕動運動をして腸内細菌がそこに留まれないようにし、腸内細菌に栄養を取られ過ぎないようにコントロールしているのだそうです。

大腸は沢山の腸内細菌と共存しているので、細菌の活動によってガスが出ても、うまく伸縮できるつくりになっています。
小腸は違うので、細菌によってガスが出ると、伸縮がうまくできずに細胞が傷ついて、不調を感じ易いのだそうです。
たとえ善玉菌であっても小腸で増えてしまうと不調になるといいます。
健康な方の腸をレントゲンでみると、大腸にはガスがありますが、小腸にはみられません。
小腸にガスがあれば、不調が疑われます。

腸内細菌が異常増殖すると、LPS(リポポリサッカライド)という毒素(エンドトキシン)を産生して腸の中から血中に吸収されます。
毒素は肝臓で解毒されますが、解毒能力を超えるほど増えれば、血中に毒素が巡ることになります。
だるさや倦怠感、集中力の低下につながる可能性があるそうです。

小腸の反応点(ツボ)に優しい皮膚刺激をすると、血管拡張やリンパ拡張がおきて、循環が良くなります。
小腸の循環が増せば、蠕動運動を促せます。
おへその上下にお灸をしたり、おへそ回りをローラー鍼で優しく刺激すると対策になります。
手で繰り返し、さすっても構いません。
腸は毎日働いていますので是非毎日、何かしらの皮膚刺激をしてください。

小腸の蠕動のサインは、お腹が「グーッ」と鳴る音だそうです。
人前で「グーッ」と鳴ると困りますが、しっかり動いて腸内細菌を正常に保ってくれる音だと思えば頼もしいです。
あまり間食をしないで、お腹を空かせることも必要なようです。

ありがたいことに私の小腸は、朝10時には豪快に働き始めます。

 

(副)