第30回アレルギー週間市民公開講座に参加しました。
今月は毎週末、各地で医師によるアレルギー講座が開かれています。
私はWEBで和歌山会場のプログラムに参加しました。
近年、世界中で、しかも先進国で特に増えている「アレルギー疾患」。
アレルギー疾患の対策と、予防についての講演が印象に残りました。
2013年のスエーデンのコホート研究で「乳児期に親の唾液を摂取すると、生後18ヶ月と生後36ヶ月で湿疹の発症が有意に低下した。」という報告があります。1)(スエーデンではおしゃぶりを親が口内洗浄して与える習慣があった)
日本ではどうかというと、和歌山県立大学が大規模な調査をして「赤ちゃんの時に親の唾液を摂取(噛み与えなど)した子供は学齢期においてもアレルギー疾患の発症が低下している。」という報告があります。2)
最近は虫歯菌が親からの感染であることがわかったので、とにかく唾液接触をしないように気をつけていた親御さんも多いと思います。
我が家も、もれなく気をつけておりました…
親に口腔内細菌の知識がある家庭の子どもは、学齢期にアレルギー疾患を有意に発症している、というデータもありました。
唾液は虫歯菌もピロリ菌もうつしてしまうけど、アレルギー疾患を減らすとは、、、
免疫(アレルギー反応)が過剰にならないためには腸内細菌叢が多様であることが必要で、
その腸内細菌叢は3歳までに決定してしまう事がわかっています。
赤ちゃんの時に微生物刺激(色々なバイキンを取り込む)が不十分だと、アレルギー疾患になる可能性が高いのだそうです。
今回は親の唾液でしたが、口からバイキンを取り込むと、腸内細菌の種類が増えるし、免疫細胞も学習できるのですね。
良し悪しは一面では決められないですね。
体の仕組みは奥深いです。
(副)
1) Pacifier Cleaning Practices and Risk of Allergy Development
2) Saliva Contact During Infancy and Allergy Development in School-AgeChildren
乳児期の唾液接触と学齢期のアレルギー発症