その辛さは「冷房病」かもしれません

8月も後半ですがまだまだ厳しい暑さが続いていますね。
この時期気をつけたいのは「冷房病」です。
「冷房病」とは、冷房の効いた所と効かない所を頻繁に往復したり、冷房の強すぎる環境に長時間居たりすると、体温調節が上手くいかなくなって体に様々な不調が現れる状態のことです。

症状は多岐にわたります。
頭痛、倦怠感、肩こり、足腰の冷え、だるさ、食欲不振、下痢、不眠などです。

また、冷房の設定温度が低いと空気が乾燥して、鼻粘膜や喉粘膜が乾き、傷ができやすくなります。
小さな傷は、炎症や感染症に繋がり、鼻水や喉の痛みも出てきます。

症状は人それぞれ。
その方の弱い所に症状が現れます。

今の辛さは「冷房病」かもしれません。

不調のある方は、
冷房の設定温度を少し外気に近づけたり、
循環を助けるために体操したり、
冷房の強すぎる環境では羽織やひざ掛けも必要です。
長く冷房の中にいるのであれば、氷は入れず、常温か温かい食事や飲み物の方が良いです。

鍼灸では、その方に合わせて症状の原因に1つ1つ対応します。
冷房病は「自律神経症状」ともいわれています。
自律神経は体全体に働くイメージがありますが、一括りに対応できるものではありません。
自律神経は体の各所で、それぞれ調節しているので、不調に1つ1つ対策することがその理にかなっています。

外気が高温なので、冷房を使わないわけにもいきません。
ケアや対策をしながら、猛暑を上手く乗り切りたいですね。

(副)

気象病には耳鼻咽喉ケア

今日、ここ近畿地方でも、7月を前に梅雨明けしました。
わずか2週間という観測史上最短の梅雨だったようです。
昨日、セミの今年の初鳴きを聞きました。
セミは、季節の変わり目を、しっかり感じ取っているようです。

セミの羽化
昨年の蝉

 

今年の梅雨は、体調を崩す方が非常に多かったように思います。
特に、そんな気候の影響を受けるのが、「耳」に不調のある方。
耳の働きには、平衡感覚と聴覚があります。
めまいやふらつき、耳鳴りや難聴などが、ある方です。
(平衡感覚は、反射的に働くため、自覚に乏しく、その不調に気づいていない人も多いです。)
そこからつながる自覚症状として、眼の疲れ、顎関節症、頭痛、首・肩こり、自律神経症状などもあります。
(平衡感覚は、動眼神経、運動神経、自律神経諸核とも つながりがあります。)

こういった症状を合わせて、「気象病」とか「天気痛」とも呼ばれています。
天気予報で有名な、ウェザーニュースが、これまでに会員の方々と幾度も検証を行った結果、
「気圧の変化が通常のパターンからずれた時に、頭痛や関節痛などの天気痛を感じる方が多い」ようです。
そのデータを基に、「天気痛予報」も発表されています。

 

ウェザーニュース
低気圧や前線で気圧変化
頭痛など伴う気象病「天気痛」に注意
https://weathernews.jp/s/topics/202206/070075/

 

その原因として、耳の奥にある「内耳」が関係していると言われています。
「内耳」が気圧のセンサーとしても、注目されています。
確かに、新幹線や飛行機など、急な気圧の変化で、耳に違和感を感じます。
耳が何らかの影響を受けていると想像できます。

上記のリンクページでは、天気痛の改善に「耳マッサージ」が紹介されています。

くるくる耳マッサージ
引用 ウェザーニュース https://weathernews.jp/s/topics/202206/070075/

反応点治療で考える「内耳」の反応点も、耳たぶ付け根にあります。
耳マッサージで「内耳点」の皮膚も刺激されそうですが、ローラー鍼でコロコロした方が、より効果的に刺激は届きそうです。

併せて、耳周りの筋を緩めれば、頭痛や顎の痛みも緩和されるでしょう。
首や肩がつらい方は、その周辺の筋も緩めます。

 

あと、そんな「耳」の悪くなる方に共通するのが、「鼻」や「のど」の悪さです。
「上咽頭炎」が影響していることもあるようです。
耳と鼻や咽は、耳管(じかん)という管で解剖学的にもつながっていますし、神経支配的にも同じ脳神経(三叉神経・迷走神経)でつながりがあります。

耳と鼻のつながり


「耳」をケアしてもなかなか良くならない方は、「鼻」や「のど」も併せてケアを行ってみましょう。
反応点治療では、それらの器官の不調を見極め、鍼灸治療を行っていきます。

 

気象病、天気痛のある方は、「耳鼻咽喉」がポイントです!


(院)