その辛さは「冷房病」かもしれません

8月も後半ですがまだまだ厳しい暑さが続いていますね。
この時期気をつけたいのは「冷房病」です。
「冷房病」とは、冷房の効いた所と効かない所を頻繁に往復したり、冷房の強すぎる環境に長時間居たりすると、体温調節が上手くいかなくなって体に様々な不調が現れる状態のことです。

症状は多岐にわたります。
頭痛、倦怠感、肩こり、足腰の冷え、だるさ、食欲不振、下痢、不眠などです。

また、冷房の設定温度が低いと空気が乾燥して、鼻粘膜や喉粘膜が乾き、傷ができやすくなります。
小さな傷は、炎症や感染症に繋がり、鼻水や喉の痛みも出てきます。

症状は人それぞれ。
その方の弱い所に症状が現れます。

今の辛さは「冷房病」かもしれません。

不調のある方は、
冷房の設定温度を少し外気に近づけたり、
循環を助けるために体操したり、
冷房の強すぎる環境では羽織やひざ掛けも必要です。
長く冷房の中にいるのであれば、氷は入れず、常温か温かい食事や飲み物の方が良いです。

鍼灸では、その方に合わせて症状の原因に1つ1つ対応します。
冷房病は「自律神経症状」ともいわれています。
自律神経は体全体に働くイメージがありますが、一括りに対応できるものではありません。
自律神経は体の各所で、それぞれ調節しているので、不調に1つ1つ対策することがその理にかなっています。

外気が高温なので、冷房を使わないわけにもいきません。
ケアや対策をしながら、猛暑を上手く乗り切りたいですね。

(副)

ピロリ菌はいかに?

以前、ピロリ菌の除菌治療をした記事を書きました。

ピロリ菌の除菌治療
https://sorashiya.com/eradication-of-h-pylori/

 

実際に除菌できているかを確かめるには、服薬終了後、1か月以上経過して検査が必要です。
その検査に行ってきました。

今回は、「尿素呼気試験法(UBT)」という検査を実施しました。
その検査法の流れとしては、

  1. 容器に息を吐いて、呼気を採取します。
  2. 試験薬を飲みます。
  3. 20分ほど置いてから、再び呼気を採取します。

そんな息を調べるだけで、どうやって菌がいるのが分かるのか?と思いましたが、イラストのような原理のようです。

尿素呼気試験の原理
大塚製薬「ピロリ菌の検査と除菌治療」より

 

患者さんへの侵襲性(検査に伴う痛みや苦痛などの負担)も少なく、
感度(病気がある人をあると検出する確率)97.7~100%、
特異度(病気の無い人を無いと検出する確率)97.9~100%と、
ともに精度の高い検査です。

 

ちなみにその検査は、除菌治療から検査前までに、

  • 抗生剤、プロトンポンプ阻害薬(PPI)を服用していない
  • 8時間前から絶食

しておく必要があります。

正確な判定をする為には、正しく検査を受ける為の「準備」があります。
当日検査できるからと言って、何も下調べせずに、当日ポッと行かないようにしなければいけませんね。
(そのつもりでしたが、何となく疑問に思って調べて正解でした。)

 

そしてその検査結果は…
陰性」でした!

つまり、「ピロリ菌はいないだろう」、
という結果になりました

 

もし「陽性」となれば、ピロリ菌除菌の再治療が必要でした。
前回の経験から、気が進まない治療でしたが、しなくて済んで、一安心です。

 

ただ、お医者さんからも伝えられましたが、ピロリ菌がいなくなったからと言って、胃がんのリスクが急になくなるわけではありません。
これまで40年?近く存在していたわけで、胃粘膜が荒らされている可能性もあります。
除菌後もしばらくは、内視鏡検査などを勧められました。
そして、成人になってからの再感染は少ないようですが、免疫力が落ちているときに入ってくると、また感染する可能性も0では無いようです。
衛生状態が悪いものの飲食は、注意です。

 

それと、ピロリ菌で抑えられていた(中和されていた)胃酸の分泌を、過剰に感じるかもしれません。
つまり症状としては、胃のむかつきや、胸焼け、逆流性食道炎などです。
それも時間と共に落ち着いていくことが多いようです。
きっと身体が適応していくのでしょう。
実は最近、みぞおち辺りや就寝時に寝返りが痛く感じるのは、その影響かもしれません。
食道をセルフケアして、穏やかに治まることを願っています。

 

ただ、こうして不調があると、身体のことを大事にするようになりました。
若い頃のように、日にちが経てば知らないうちに治っていることも少なくなく、時間を要するようにもなりました。
痛みや不快感は、からだのSOSかもしれないので、無視しないようにしたいと思います。

 

今回の検査、治療、検査で学んだこと

  • 自分の身体のことは、よくわかっていない
  • 検査や治療は、調べてから受けよう
  • 無病息災より、一病息災

 

(院)

ピロリ菌の除菌治療

日本人に最も多い死因の「悪性腫瘍」(がん)。
その中にも、ある程度、予防できるものがあります。
いわゆる感染症で、その原因ウイルスが判明しているものです。

子宮頸がん ー ヒトパピローマウイルス(HPV)
肝臓がん ー 肝炎ウイルス
胃がん ー ピロリ菌

ワクチンで防げるもの、感染を防ぐことが出来るもの、除菌して予防できるものがあります。
その除菌できる一つが、ピロリ菌です。

前回、人間ドックで、私の胃にはピロリ菌が存在することが判明しました。
それが原因かもしれない?、鉄欠乏性貧血もありました。
ちょうど授業も無く、お盆休みも重なり、治療期間に最適だったので、すぐに消化器内科を受診しました。
診察の結果、痔、貧血、そしてピロリ菌除菌を、同時にしていくことになりました。

 

ボノサップパック

 

ピロリ菌治療に5錠、貧血に2錠、痔に2錠、計9錠も1回で服用することに。
過去にこれほどの量の薬を飲んだことはなかったです。
食後に薬を飲むのが苦痛になり、患者さんの気持ちも察します。

ピロリ菌の除菌治療は、何人かの患者さんからその大変さを聞いていました。
菌を殺すためには、抗生物質を服用します。
その効きを良くするため、胃酸の分泌も抑えます。
そしてピロリ菌だけが駆除されれば良いですが、良い菌も犠牲になるのでしょう。
腸の環境や動きが乱されます。

私も薬の飲み始めは、副作用がしんどかったです。
お腹がずっと張って、腰痛、腹痛にもなるし、食欲も減りました。
仕事中も、お腹がゴロゴロ鳴っていました。
ずっと住み着いていたピロリ菌が、悲鳴をあげて必死に抵抗しているようでした…

振り返ってみると、ガスが溜まって腹壁を緊張させるのが、苦しかったように感じます。
こまめにガス(おなら)を出せると良いのかもしれません。
(と気づいたのは3日目くらいでした…)
あとは、腹筋を緩める鍼灸治療もお勧めです。
 

そんなピロリ菌除菌薬の服用期間は、5日間。
この薬による除菌成功率は、8~9割くらいに達します。
つまり、1~2割は除菌できず、また改めての治療になるようです…

 

治療の結果は、服薬終了後、1か月以上経過してから再検査です。
除菌されていることを心から願います。
鍼灸で出来るケアも続けます。

 

9月以降、経過はまたご報告します!

 

(院)

 

貧血の原因は?

前回、人間ドックの結果待ちの時に、貧血が判明しました。
1か月後に送られてきたその人間ドックの結果を見てみると…

 

まず、献血の1週間前の採血だったので、やはり貧血でした。
そして献血時には不明だった、その原因も鉄欠乏性貧血だろうと。
血清鉄(血液中の鉄分)がかなり低かったです。

 

ただ前回も書きましたが、決して、食生活が悪くて鉄分摂取不足だとは思えません。
独身の時より、格段に良くなっていると感じます。
では、その原因は?

 

貧血で考えなければいけないのは「どこかで出血が起こっていないか」です。
鉄剤の補給で貧血が改善されたとしても、出血があれば根本的な解決にはなりません。
自覚できる出血はその改善ですが、自覚できないものとしては、内臓、消化管からの出血を疑います。
私は、自覚できる痔核があるので、その原因は一つ上げられます。
ただ、それ程の出血ではなく、今回の便検査でも出血は認められず、他の消化管からの出血の可能性も低くなります。
その原因として何があげられるでしょうか?

 

実は、今回の人間ドックの目的の一つに、ピロリ菌(H. pylori)の検査がありました。
私の母は胃がんで亡くなっています。
現在、胃がん最大の原因は、ピロリ菌ということが分かっています。
ピロリ菌の感染は、衛生環境の悪い水や食事、そして親から子への口移しなどで感染すると考えられています。
私も、感染している可能性は高いと考えられます。
(ちなみに、ピロリ菌の主な感染時期は乳幼児期でそれ以後の感染は少ない。1)
 つまり、夫婦間、大人同士の感染は無いようです。
 幼少期が同じ環境であった兄弟姉妹に感染者がいると要注意です。)

 

今回のピロリ菌の検査結果は…
「要医療」でした。
今回血液検査でピロリ菌抗体を調べたところ、疑いようもない位、高値でした。

さらに胃バリウム検査の結果も、聞きなれない「粗大レリーフ」という言葉が…
普通より太いシワのことのようで「慢性炎症など胃の病気も考えられ、自覚症状があれば要検査」とのことですが、もはや自覚症状はあてになりません…

 

そして、このピロリ菌が、貧血の原因にもなるそうです。
鉄分の「摂取」不足でなければ、「吸収」不足です。
食物中の鉄が、効率よく吸収されるためには胃酸とアスコルビン酸(ビタミンC)が重要ですが、ピロリ菌感染した胃粘膜ではそれが少ないこと。
また、ピロリ菌の感染者では、胃粘膜でのラクトフェリンの量が増加しており、ラクトフェリン内の鉄を供給源として増殖するため鉄欠乏になりやすいこと。
などが挙げられます。
「いくつかのメタ解析では、ピロリ菌感染が鉄欠乏性貧血のリスクであること、鉄剤投与に加えて除菌治療をおこなうと有意に鉄欠乏性貧血が改善することが報告されている」と、日本ヘリコバクター学会の治療ガイドラインにも記載されています。1)

 

ピロリ菌感染の可能性も薄々気づいていながら、なぜ今まで検査しなかったのか?
なぜこの検査がもっと一般的でないのか?
人によってそのリスクは異なるので、その人にあった検診は必要なのでしょう。
(日本ヘリコバクター学会では、中学生以降の検査、除菌が推奨されています。1)

今や胃がんの予防に、ピロリ菌の除菌は強く推奨されています。
正しい知識や情報を得ることは必要です。
自覚症状が無ければ…と思っていても(私もそうでした)、それはあてになりません。
自覚症状が出たときは、もう手遅れのときもあるかもしれません。

 

悔やんでもしょうがないので、これから対策です。
早速、ピロリ菌の除菌治療を始めました。

 
(また続く)

 

1) H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版
https://www.jshr.jp/medical/guideline/index.html#sup2016

人間ドック と 貧血

会社員の頃は毎年健康診断がありましたが、自営業になると自ら受けに行かねばその機会はありません。
しばらく未検診でしたが、40歳を過ぎると市の特定検診が始まり、そちらを受けるようになりました。
ただ、それも身体測定や尿検査、血液検査は献血していると分かるような項目ばかりで、不要かなと思ってました。

 

特に自覚症状は無かったのですが、気になっていることもあったので…
今年は、健康チェック(3時間人間ドック)を受けてみました。

芦屋市 健康チェック(3時間人間ドック)
https://www.city.ashiya.lg.jp/kenkou/kenkoucheku.html

 

検査はスムーズに進み、その場で分かる血圧や身体測定、診察では、問題なし。
詳細な結果は、1か月後に送られてくることに。

 

その結果待ちの期間に、最近リニューアルした三宮の献血センターに行きました。
いつも通り、体調良好の欄にチェックも入れて、事前の検査をしたところ…

「今日は貧血で献血できません」とのこと。

ヘモグロビン濃度が基準値以下でした。
「鉄分ゼリー」と「献血にご協力いただけなかった方々へ」という冊子を渡されます。

 

学生の頃は、多忙と栄養不良もあって、同じく貧血で献血を断られることもありました。
が、今や健康であることが売りの鍼灸師となってからは、ショックです…
いたって健康だと思っていましたが、自覚症状もあてになりません。

 

貧血の原因は、最近も忙しかったし、鉄分が足りていなかったのかなと。
ただ同じ食生活の妻が貧血ではないということは?

 

そして今月始め、人間ドックの結果が送られてきました。
その結果は…

(続く)