頭痛は集中力をそぎます。
薬も頻繁に使うと副作用が心配です。
脳の中に問題があるのではと不安にもなります。
しつこく何度もくりかえす頭痛には、頭以外にも注目します。
頭痛が軽減すれば、仕事も家事も、効率が上がります。
頭痛も筋肉痛
「頭が痛い」と言っても、その症状は人それぞれです。痛みを感じる場所もさまざまです。それは、その頭痛を起こす原因もさまざまだからです。
多くの頭痛が筋肉の痛みで、皮膚や筋肉の緊張(スパズム)により起こります。頭にも筋肉があります。頭を取り巻く帽状腱膜につながる前頭筋、口の開閉に関わる側頭筋、頭につながる顔面、首、肩にも、多数の筋肉が複雑につながり合っています。
痛みがはっきり現れる頭痛は、表在感覚の痛み、つまり、筋筋膜や皮膚の歪みにより、痛みが発生していると考えられます。事実、頭の中の脳には、痛みを感じる神経はありません。脳の手術でも、麻酔をかけるのは頭の表面であって、脳内には麻酔をかけません。頭の芯が痛いと感じるのは、錯覚です。
鍼を打つ場所も、決して脳ではありません。皮膚や筋肉です。そして鍼を刺して痛みが緩和するということは、その痛みの発生が、皮膚、筋肉、筋膜にあることも推測できます。
頭痛の原因
その緊張を発生させる原因はさまざまです。その頭部の緊張を招いた原因を、ひとつひとつ施術することで、片頭痛、拍動性頭痛、群発性頭痛、筋緊張性頭痛、慢性頭痛など、あらゆる頭痛を緩和していきます。ここでも重要なのは、痛みだけでなく、その原因部分の対策を行わなければ、頭痛の根本的な解消にはならないことです。反射経路を考えれば、顔まわりの不調(口腔や耳鼻咽喉科領域の慢性炎症など)が根本原因に考えられます。
ただし、頭痛には、脳腫瘍、くも膜下出血、髄膜炎など、痛みを取ってはいけない頭痛も存在します。今までに経験したことのないような頭痛や、急な吐き気や高熱、冷や汗を伴なう場合は、病院へ行き、適切な検査を受ける必要があります。
頭痛の鍼治療
- 根本原因となっている頭部の不調を対策
- 痛みの発生している筋・筋膜の緊張をゆるめる
まず、頭の筋肉に影響を与える頭部の反応点にハリやローラー鍼をします。患者さんそれぞれに違う頭痛の原因に対策できれば効果的です。内臓の回復には少し時間がかかります。頭痛をコントロールするためには継続したこまめなケアが大切です。
そして頭の筋肉(前頭筋、側頭筋、後頭筋など)、頭をおおう帽状腱膜などにハリやローラー鍼をしてゆるめます。筋・筋膜がゆるめば痛みは緩和します。頭部につながる頸部の筋肉も同時に対処することも頭痛対策になります。どの筋肉もつながっており、互いに影響を及ぼし合います。反応点を見て、筋肉の緊張を順番にとっていきます。
頭痛といっても原因となる内臓、緊張している筋肉は、人それぞれです。その原因を見極め、筋肉をゆるめ、痛みを緩和させていきます。さらに、その大もとの原因を取り除くことによって、再発防止も行ないます。