腰痛・坐骨神経痛 Low Back Pain / Sciatica


腰の痛みやだるさはつらいですね。

ひどくなると姿勢を変えるのも一苦労。

イスに座るのも、横になるのも、立っているのもつらくなります。


腰痛の原因は?

 腰痛の原因は、ほとんどが筋肉です。何らかの原因によって筋肉が緊張した状態にあり、そこである姿勢をとるとさらに筋肉は引っ張られ、皮膚表面や筋膜にある痛みの受容器が作動し、痛みを感じます。

 決して神経の異常で、痛みが出ているわけではありません。椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症で神経を圧迫して痛みが出るといいますが、それは誤解です。神経とは、痛みなどを伝える電線みたいなものです。それが途切れれば、当然伝わらなくなります。神経に障害があるなら、起こるのはマヒです。症状が、痛みやしびれなら大丈夫です。鍼灸で良くなります。

 

坐骨神経痛とは?

 あたかも神経が悪いような病名ですが、違います。お尻から足にかけての坐骨神経上に痛みを感じるのが、坐骨神経痛です。上記のように神経は痛みを伝える電線のようなもので、痛みを感じるということは神経は正常で、その痛みのアンテナ(受容器)の問題です。それは、皮膚、筋肉、筋膜のことです。だから、腰痛と同様、鍼治療で治療ができます。腰痛がお尻の筋肉に出ていると考えてもらえばいいです。

 

腰痛の根本原因は?

 毎日前かがみの同じ姿勢を続けた、重い荷物を上げ下ろししている、同じ椅子にずっと座っていた、ひねったなど、腰の筋肉に負荷がかかって疲労すると、筋肉が硬く縮まり痛みになります。しかし、同じ作業をしていても出なかったり、人によって違ったりするのは、その人の身体の中に原因があります。それは内臓です。具体的には、

・風邪、気管支炎などの呼吸器症状

・胃痛、胸やけ、下痢、便秘などの消化器症状

・頻尿、膀胱炎などの泌尿器症状

・生理痛などの生殖器系の症状

といった症状が関係しています。まだ症状にならない不調もあります。内臓に自覚症状がなくとも、小さな炎症などが連続して情報を送り続けることで、緊張を与えます。そもそも、内臓の痛み受容器は少ないため、症状を感じにくいものです。

 これらの不調が、神経を介して脊髄に伝えられ、反射的に腰やお尻の筋肉を緊張させて腰痛を発生させているのです。腰の筋肉をほぐしても内臓の不調をほっておいては、腰痛は解消されません。腰痛は慢性になっているものが多く、継続した内臓のケアが必要かもしれません。慢性の内臓の不調は、ぎっくり腰の原因にもなります。

 

夏場に多い腰痛

 一般的には寒くてこわばる冬の方が腰痛はひどそうですが、夏場も意外と多く見受けられます。暑くなると冷たいものをぐっと飲みたくなりますね。治療でお腹を触ると、みぞおち辺りが冷たい患者さんもおられます。申し訳なさそうに「冷たいものを飲んできたところです…」と。身体には悪いかな?と、薄々気づかれているようです。

 身体の中の感覚は、どん感です。胃や腸が冷えていても、それほど自覚は無いようです。しかし、冷えは臓器の働きを鈍らせますし、胃液や腸液が薄まれば、消化にも負担がかかってくることでしょう。そして腹部の不調は、その裏側にある、背中や腰のこわばりにつながり、腰痛やぎっくり腰の患者さんも多くなります。腰に不調の出やすい方は、夏の「冷たいもん」 注意です。

 

腰痛の治療

 したがって、治療方針としては、

1.根本原因となっている胸腹部の内臓の状態を整える

2.痛みの発生している腰背部やお尻の筋肉、筋膜の緊張をゆるめる

 まず、腰の筋肉に影響を与える腹部内臓の反応点に軽いハリやお灸をします。継続したお灸やハリ刺激は着実に内臓に働きかけて回復をうながします。患者さんそれぞれに違う腰痛の原因のケアができるので効果的です。内臓の回復には少し時間がかかります。腰痛をコントロールするためにはこまめなケアが大切です。

 腰の筋肉、腰につながるお尻、背中、腹部の筋肉にハリをしてゆるめます。筋肉がゆるめば痛みは治まります。腰の筋肉と、おしりや腹部など腰の筋肉を引っ張る部位の筋肉も同時に対処することが腰痛対策になります。坐骨神経痛と呼ばれる痛みは、特にお尻です。傷んでいる筋束をみつけてハリをするので効果的です。どの筋肉もつながっており、互いに影響を及ぼし合います。反応点を診て、筋肉の緊張を順番にとっていくことで、痛みも消えていきます。

 腰痛といっても原因となっている内臓、緊張している筋肉は人それぞれです。手先の感覚によってその原因を見極め、確実に筋肉をゆるめ、痛みを消失させます。さらに、その大もとの原因を取り除くことによって、再発防止が行なえます。

 

腰痛のセルフケア

 当院では患者さんごとに必要な治療ポイントに印をつけてお灸をしていただくセルフケアを提案しています。こまめなケアが内臓の回復を促し腰痛をおこりにくくします。ご自宅でも安全に使えるせんねん灸もおわけしています。

 

腰痛治療で姿勢矯正

 よく、「姿勢が悪いから腰痛が…」と言われます。【姿勢の悪さ】 → 【痛み】

 しかし、逆の場合も考えられます。【痛み】 → 【姿勢の悪さ】

 腰やお腹が痛いとき、その部分をかばうように姿勢は悪くもなります。腹痛の時に、自然と「く」の字に背中を丸めている経験があるかと思います。たとえ痛みがなくとも、縮んだ筋肉をストレッチすると気持ちいいように、知らず知らずのうちに身体を傾けていることもあります。継続的に筋緊張が起こっていれば、それが姿勢を悪くさせる原因にもなります。さらにその筋緊張を生んでいる原因に着目すれば、姿勢の悪さの根本治療ができます。呼吸器系が悪い人は背中が、消化器系が悪い人は腰が、曲がっている人は多いです。

 だから、内臓と筋緊張をゆるめる鍼灸治療で、姿勢を矯正することも可能です。