自己免疫疾患・膠原病 Autoimmune Disease / Collagen Disease


原因がわからない不安、

明確な治療法がない不安、

免疫抑制剤、ステロイドを使い続ける不安、

日常生活への差支えや仕事が続けられなくなる不安、

それらの不安にもできることがあります。 


当院に来られる主な自己免疫疾患

関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、大動脈炎症候群、全身性エリテマトーデス(SLE)、

重症筋無力症、混合性結合組織病、バセドウ病、橋本病、円形脱毛症 など

 

自己免疫疾患とは

 本来「免疫」とは、外からの敵に対して攻撃し排除するはたらきを持ちますが、自分自身のからだの成分に対して攻撃をしてしまうのが、自己免疫疾患です。自己免疫疾患といっても、その攻撃するターゲットや症状は様々です。そのほとんどが原因不明で、多くが難病にも指定されています。

 当院ではこれら自己免疫性の疾患に対し、肝臓に注目して治療を行います。実際、患者さんに共通して肝臓反応点が顕著に見られ、その回復に伴い病態が改善する例が多くあります。人体の化学工場とも言われる肝臓の酵素の働きに関与しているのかもしれません。他にも人体最大の免疫器官と呼ばれる小腸など、内臓全般へのアプローチを行います。それらの治療による健康管理を行い、病状の悪化を防ぎつつ、完治への可能性を求めていきます。

 

関節リウマチの鍼灸治療

 関節リウマチは、主に手足の関節を侵し、関節痛や、関節破壊を起こします。鍼灸治療の得意とする即効性のある鎮痛作用は、筋筋膜性にある皮膚や筋肉由来の痛みです。しかし、この関節リウマチのように炎症性の疾患に対しても効果はあります。

 まずは、局所に対するものとして炎症物質をその現場から速やかに取り除くこと。そして炎症には腫脹(腫れ上がること)が伴うもので、それに皮膚の痛みのアンテナも作動します。だから腫脹を取り除くこともその対策。リウマチ患者さんに特徴的な朝の関節のこわばりは、寝ている間に起こるむくみも一つの要因となっているでしょう。したがって、リンパの還流を意識した治療がそのつらさを和らげます。

 そして全身性に対するものとして、鍼麻酔効果。鍼刺激により、脳内から鎮痛物質を誘導します。痛みは、様々な要因が足し算されて出てくるものなので、その痛みの要因を順に引き算していきます。

 

潰瘍性大腸炎の鍼灸治療

 1日に20回以上トイレに行かなくてはならないほど、そのつらさは壮絶です。しかし、症状が出ていない「寛解」と、炎症の起こっている「再燃」をくり返します。そして、この「寛解」の時期がずっと続くこともあります。炎症を防ぐようコントロールできれば、心配することはありません。

 原因がはっきりしていないことから、その治療法も確立されていません。自己免疫異常によるものとされていることから、ステロイドや免疫抑制剤の服薬治療があります。しかし、それは対症療法であり、長期服用にためらう方もおられます。かといって、症状を抑えなければ、そのつらさは我慢できるものではありません。だから、症状をある程度コントロールしつつ、原因と考えられる根本治療を行う必要があります。

 やはり、炎症性の自己免疫疾患、胃腸の症状であることから、内臓の不調は大きく関係していると思われます。反応点では特に、肝臓、小腸、そして炎症のある大腸です。第3の自律神経とも腸管の運動を司る自律神経叢へのアプローチは重要です。

 また、下腹部に大きな炎症があるとなれば、腰痛、ひざ痛、足のだるさも伴います。内臓の不調は自覚が少なくとも、それが筋肉や皮膚に反射してつらさと感じます。それを和らげるだけでもQOLはかなり上がります。

 そして、この病気は欧米で圧倒的に多く日本でも増加し続けていることから、消化器に与える食生活の変化も無視できないでしょう。何が原因か特定できなくとも、一つ一つ考えられる要因を消していくことが、治癒への道と考えます。

 

大動脈炎症候群の鍼灸治療

 大動脈炎症候群は、大動脈に炎症が起こる血管炎の自己免疫疾患です。発見者を病名につける欧米では「高安動脈炎」と呼ばれたり、その病態から「脈なし病」とも呼ばれます。日本に最も患者が多く、女性に多いことから女性ホルモンが関与しているのではないかと考えられていますが、その発症原因などは不明です。治療法としては、ステロイド薬や免疫抑制剤などで炎症を抑える対症療法となります。

 内服ステロイド薬には、高血圧や顔がむくむ(ムーンフェイス)などの副作用に、長期服用で骨粗鬆症などのリスクも上がります。免疫機能を下げるため、風邪などの感染症にもかかりやすくなります。

 やはり薬の量は最小限に抑えたいところですが、目に見える病気ではないですし、心臓付近の血管にも影響を及ぼすことから、なかなか薬の量と炎症抑制効果のバランスが取りづらく、炎症再発をくり返してしまいます。

 また、どの血管が傷害されたかによって、症状も様々です。全身性の症状でもあることから、治療も全身をターゲットにします。炎症が起これば、そこにつながる筋肉や皮下にコリや痛みが生じます。その不快な症状をとることも、安心して過ごせるようになるためには欠かせないことだと考えます。

 鍼灸治療において何よりも重視するのが「心臓」付近です。さらには炎症性の疾患ということで「肝臓」、免疫に大きくかかわる「小腸」の反応点を重点的に治療します。それら対症療法も含め、全身の状態を整えることで、炎症反応を落ち着かせ、薬の量や期間を減らし、寛解していくことを目標に治療を行なっています。