帯状疱疹後の痛みがつらい時

 神経ブロックもいまいち、薬も効かない、副作用も心配、服が擦れるだけで痛くて眠れない…

 そんな帯状疱疹後の痛みでつらい方の来院が続きました。時期的には少ない(夏に多い ※)らしいですが、これからも季節の変わり目、体調も崩しやすいので、今後なられた方のために。

帯状疱疹が出た時

 まずは、帯状疱疹が発症したとき、より瘢痕を小さくするために、より早期に炎症を抑えること(抗ウイルス剤治療)も大切です(発疹72時間以内に開始できれば合併症、後遺症を残しがたいとされています)。

 しかし、治療が遅れてつらい痛みが残ってしまった方も、大丈夫です。そんな帯状疱疹後の神経痛と呼ばれる痛みに対して、鍼灸が役立ちます。

帯状疱疹とは

 帯状疱疹とは、神経節に潜伏していた水ぼうそうのウイルスが再活性化し、皮膚に帯状の水泡ができることを言います。免疫力が低下したとき(高齢、過労、大きなストレス、悪性腫瘍、抗がん剤・免疫抑制剤治療時など)に、発症することが多い疾患です。高齢化や水痘患者の減少(免疫のブースター効果の減少)もあって、年々増加傾向にあるようです。

 一見、虫刺されや他の皮膚炎と間違うこともあります。特徴は、身体の片側だけで、皮膚症状の前にピリピリやチクチクするような痛みが出るようです。部位は、胸から背中(肋間神経沿い)、顔(三叉神経)、手足に出ることもあります。

 問題は、その後に残ってしまう言わゆる「神経痛」と呼ばれる後遺症です。抗炎症薬も効きません。帯状疱疹の炎症がひどいとき、より重症難治化しやすくなります。QOLが著しく低下することもあります(※)。

 部位的には顔が残りやすくなります(三叉神経領域)。中でも、ハッチンソン徴候といって、鼻の先端に皮疹が生じた場合、眼病変の合併頻度も高くなります(鼻毛様体神経領域)。

 ただ、「神経障害性疼痛」と分類される痛みも、それが神経の痛みなのかは疑問です。

帯状疱疹後の痛みに鍼灸

 この帯状疱疹後神経痛(PHN)に、鍼灸は効きます。鍼で皮膚の歪みを取ることで、痛みの原因を取り除きます。つまり「神経痛」ではなく、「皮膚の痛み」だと考えています。ただ、痛みも慢性化してくると、中枢性の問題も出てきます。他の痛みと同じく、より早くに鎮痛させることは大事です。

 さらに、痛みはその部分だけが原因ではありません。瘢痕部の皮膚だけでなく、痛みをかばう様にして出た筋肉の痛み、反射性に現われる痛み、さらにそこに影響を与える同じ神経領域の治療もできればより根本治療もできますので、やはり全身治療が効果的かと思います。

 

※ 

https://www.niid.go.jp/niid/ja/allarticles/surveillance/2433-iasr/related-articles/related-articles-462/8234-462r06.html

NIID 国立感染症研究所
「帯状疱疹の兵庫県内における30年間の動向把握から見えてきたもの」