コロナ感染後の後遺症対策

新型コロナウイルス感染後の症状に、お困りの方が来院されています。

隔離期間を終えて、熱も下がっているのに、いつまでも咳が続いて、でも検査をすると陰性。

仕事に復帰されても、なかなか本調子とはいかず、困られています。

 

WHO(世界保健機関)では、後遺症について、「新型コロナウイルスに罹患した人にみられ、少なくとも2カ月以上持続し、また、他の疾患による症状として説明がつかないもの(通常はCOVID-19の発症から3カ月経った時点にもみられる。)」と定義しています。

症状は様々です。(以下)

疲労感、倦怠感、関節痛、咳、喀痰、息切れ、胸痛、脱毛、記憶障害、集中力低下、不眠、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下

発生頻度は以下になっています。

罹患後症状

 

海外での45の報告(計9,751例)の系統的レビューでは、COVID-19の診断等の後2カ月あるいは、退院等の後1カ月を経過した患者の72.5%が何らかの症状を訴えていました。

別の海外の57の報告(計25万例)の系統的レビューでは、診断あるいは退院後6カ月かそれ以上で何らかの症状を有するのは、54%と報告されています。

 

コロナ罹患時の重症度

東京都福祉保健局より

 

年齢別でみると、子どもと高齢者に後遺症が少なく、現役世代が多いようです。

既往歴がなく、軽症であっても後遺症が残る、という結果になっています。

年齢的に、役割が多く、よく休めないことも関係していそうです。

 

鍼灸で、そういった後遺症対策が出来ます。

来院される方は、長引く咳、倦怠感、頭痛、が多くなっていますが、どの症状にも効果が出ています。

後遺症とされる様々な症状の多くが、普段から鍼灸で対応しているものです。

疲れがたまっていたり、体力が落ちた状態では、ウイルスにも弱くなり、感染しやすかったり、症状が取れにくくなることも不思議ではありません。

「家族が無事で私だけがかかりました。」 

「子供は元気になったのに、自分たち夫婦だけ長引いています。」

同じウイルスにさらされていても、体力や疲労の状態によって、症状の現れ方、残り方が違います。

 

身体の循環を良くして、良く眠れるように、良く休めるようにすることも大切です。

体力や疲労を回復させるのにも鍼灸が役立ちます。

出来ることはあります。

本調子でないと感じたら、鍼灸もご検討ください。

 

(副)

又吉直樹さんの YouTube をみて

8月ももう終わりですね。

娘の夏休みの宿題に付き合って読書感想文に取り組んでいたら、こんなブログタイトルになってしまいました。

 

最近、ピースの又吉直樹さんの You Tubeチャンネルを観ています。

又吉さんが、あるテーマについて持つ感想を100個あげる番組で、又吉さんが、ご自身のエピソードを交えながら話される内容が独特で、優しくて、楽しく聞いています。

番組の中で、「又吉直樹が考える、繊細さんのリスト」というのがありました。

 

繊細さんとは、HSP (Highly Sensitive Person) といわれ、周囲からの刺激を受けやすい繊細な人を指します。

後天的でなく、生まれ持った気質であるとされています。

言動や感情への共感性が高く、また、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、の五感と、体の感覚にも敏感であるとされています。

人口の2割ほどの方が、繊細さんにあたるそうです。

 

又吉さんご自身では繊細さんだという認識は無かったそうですが、「ネットで繊細さんについて調べたら、自分の顔写真が出てきて驚いた」と、言われていました。(笑)

お話を聞いていると、又吉さんが本当に繊細な感覚で、細かなことに気づいて、自分の行動を調節されていて、それがちょっとおかしくて、つい見てしまいます。

又吉さんの本も読みたくなりました。

 

さて、鍼灸では、繊細さんが困られる症状に対応しています。

音や光、臭いに対する「過敏症」です。

五感や体の感覚の過敏性については、後天的に変化する余地があります。

眼や耳、鼻や咽の粘膜の不調があると、感覚が正しく感じ取れなくなり、刺激に弱くなります。

刺激を感じ取る感覚器は、粘膜上に並んでいるからです。

感覚細胞がウイルスなどに壊されてしまえば、再生するまで感覚がなくなることもあります。
(コロナウイルスの味覚の喪失がそうです)

また、一部の感覚が鈍くなることで、逆に残った感覚が鋭くなることも考えられます。

 

粘膜の不調とは、病院で分からないほどの損傷でも、常にあったり、範囲が広かったりすると、症状につながります。

鍼灸でケアすると、感覚器のある粘膜の修復が促されて、過敏症がだんだん落ち着いていきます。

「洗剤の臭いが平気になった」、「目のしんどさが減った」、「味を感じるようになった」などの感想を聴きます。

 

繊細さんがいることで、世の中が優しくなるのだと思います。

優しい感性はそのままに、過敏症だけ落ち着いて、過ごしやすくなって頂きたい思います。

鍼灸は少し怪しい感じがしますが、優しく心地良い鍼灸もあります。

過敏がしんどい時は、鍼灸もご検討ください。

 

(副)

子どもが嘔吐をくりかえすとき

このお盆休み、前半は忙しく、後半は子どもの体調不良もあって、ゆっくり過ごせました。

 

このご時世なので不安がよぎりましたが、微熱程度で、両親に全く症状がないのと、抗体検査で陰性と出て、一安心。

主な症状としては、吐き気、くりかえす嘔吐で、年に1,2回発症することがあり、その都度、胃腸炎なのかな?と思っていましたが、以前も同じタイミングでありました。

同じタイミングというのは、ちょうど3年前も「発表会」の前で、緊張が高まっているとき、いわゆるイベントの前に体調を崩してしまうものでした。

繊細でストレスを感じやすいと言ってしまえばそれまでですが、これまでの努力が披露できず可哀そうで、親としては何とかしてあげたい、対策があるなら何とかしたいものです。

 

このようなタイミングでくり返し引き起こされる症状は、「反復性嘔吐症」、「周期性嘔吐症」、「アセトン血性嘔吐症」、以前は「自家中毒症」とも呼ばれていたもののようです。

 

その特徴としては、1)2)

数日間、繰り返し激しい嘔吐を繰り返す

間欠期は正常である

口臭がリンゴの発酵したような臭い(アセトン臭)になることも特徴の一つ

・起こす誘因としては 精神的ストレス(47%), 感染(31%), 疲労(24%)

・全身症状としては 嗜眠(93%),  蒼白(91%),  発熱(30%),  流涎(27%)

・消化器症状としては 吐き気(82%), 腹痛(81%), 食欲不振(81%), 嘔気(79%)

心理的または身体的な種々のストレスや緊張によって, 脳・消化管相互関連系が過剰に反応する

2~10歳くらいの子どもに多く見られ、思春期になると自然に治ることが多い

体の線が細く 繊細な子どもに多くみられ

 

太字が、娘にも当てはまったことなので、きっとこれなのでしょう。

 

その中でも「思春期になると自然に治ることが多い」というのは、救いです。

(大人になっても同じような症状が出ることも、まれにあるそうです。)

 

あと、一番つらそうな「嘔吐」や「吐き気」が、なぜ起こるかが疑問でした。

娘の反応点を見ても、自律神経に影響を与える「内耳」はそれほど悪く無く、「胃・食道」あたりは顕著でしたが、それはくり返しの嘔吐が原因として考えられます。

「内耳」を施術しても、症状はあまり良くなりません。

 

その理由としては、エネルギー源のブドウ糖が不足し、脂肪を燃焼することによって、この症状が引き起こされるそうです。

通常私たちは、ブドウ糖を燃やして体を動かすエネルギーを使っていますが、この症状が出ているときは、脂肪が主なエネルギー源となります。

その脂肪の分解過程でアセトン(ケトン体)が発生し、それが脳の嘔吐中枢を刺激し、頻回に吐くようになります。

(大人でも厳格な糖質制限で、一次的にそういった症状が出ることもあります。)

 

この病態が幼少期に多いのは、糖の蓄えが少ない上、代謝が活発で必要なエネルギー量も多いからで、その為、多くは成長とともに落ち着いていくようです。

ストレスで食事量が減っていたり、それにも関わらず活動量が多い時は、要注意です。

だから、大事なイベント前などに、よく発症してしまうのでしょう。

 

従って、予防法としては、そうなりそうな初期段階で、吐き気止めを服用したり、糖分を補給することで防ぐこともできるそうです。

 

そうなってしまった時の対処法としては、胃腸炎の時と同じです。

くり返しの嘔吐とこの時期なので、脱水が心配になりますし、本人もノドが乾き水分を欲しますが、水分や食物を急に補給しても、またすぐに吐いてしまいます。

胃腸に負担にならないように、ごく少量づつ、時間をかけて補給していきます。

水は吸収も悪いため、その子にもよると思いますが、飲みやすい糖分を含むイオン飲料や経口補水液を選ばれると良いようです。

うちの子は、ゼリーなども比較的、摂りやすいようでした。

 

鍼灸治療で出来ることは、対症療法になりますが、頭痛や腹痛などの痛みの緩和や、糖吸収や代謝を助けるために「小腸」「肝臓」などの内臓機能を上げることでしょうか。

 

ですが、そもそもの原因である「過労」や「食事」を気を付けることが大事に思います。

もうすぐ好発年齢を過ぎるので大丈夫かもしれませんが、注意して見守りたいと思います。

 

ちなみに、周期性嘔吐症の説明に、

遺伝的な要因があることも指摘されている

ともありました。

私(院長)も、子どもの頃、イベント前に、よく体調を悪くしていたようです。

今は、そんなことはすっかり無いので(お腹を下すことはありますが…)、娘にも「大きくなったら心配ないからね」と励ましています。

(院)

 

1)周期性嘔吐症候群 概要 – 小児慢性特定疾病情報センター

2)アセトン血性嘔吐症(周期性嘔吐症)< Doctors File

治療院での流行り

治療院では、同じような症状や、同じような患者さんが続くことがあります。

 

現在、大流行の新型コロナウイルスですが、感染の疑わしい人は鍼灸院には来られません。

続いているのは、その感染症患者さんではない、他の症状やつらさです。

 

最近続いているのは、めまい&吐き気&頭痛・首こり、です。

おそらく、暑さの疲れ、熱中症、風邪症状等が加わって、内耳(平衡感覚器)の不調が、顕在化されるのではないかと考えます。

内耳の不調は、自律神経症状として、吐き気などにもつながります。

また、耳鼻咽喉科領域の不調は、頭部や首肩の筋に反射し、頭痛・首凝りにもつながります。

 

そういう「流行り」のような不調は、個人の問題だけでなく、環境(気候等)も影響しているのでしょう。

ですが、環境要因に対しては、対処が難しいこともあります。

環境は変えられなくとも、個人の要素(過労、内耳の不調、筋緊張等)を、改善して、症状を治めてもらいます。

 

そういった気候の影響は関係ないと思われる「流行り」が起こることもあります。

最近、当院で続いているのは、「産後ケア」です。

SORA鍼灸院では、周産期ケアに特化しているわけではありませんが、妊娠前からや、妊娠中からの患者さんが、無事に出産されて、また来院されるケースが、最近続いています。

出産お祝い金のローラー鍼

 

出産は、大きなイベントです。

肉体的、精神的、環境的にも、大きな変化があります。

社会的なサポートもまだ不十分だと感じます。

母親へのプレッシャーもあることでしょう。

それに加え、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少に伴う、心身の不調は多いようです。

しかし、それだけが原因であれば、妊産婦さん全員が、不調に陥ることになります。

そうでないのは、他の要因もあるからでしょう。

 

気候の影響と同じく、対処できないものに解決策を求めるのではなく、それ以外の要因を考えて、治療していきます。

自分でも分からない不調、精神的な症状は、「内耳」の不調が原因になっていることも、多いものです。

 

そう考えると、産後ケアが増えているのも、実は、はじめの「めまい」が増えているのと同様に、環境要因が影響しているのかもしれません。

 

自分でも分からない不調、我慢せず、まずは相談して貰いたいと思います。

 

(院)

これって蚊アレルギー?

暑い日が続きますね。

最近、蚊に刺されると腫れと赤みが長く続くようになり、以前あまり刺されなかったので不思議に思っていました。

 

調べてみると、蚊は人の発する二酸化炭素、揮発成分(汗や香水)、37℃くらいの体温、黒い色を好んで刺すようです。

以前より体温が高くなったので蚊によく見つかるようになったかもしれません。

 

蚊に刺された時の反応は2種類あります。

すぐに腫れとかゆみが出て1時間くらいで引くのが「即時型」。

しばらくしてから腫れとかゆみが出て、1~2週間くらい続くのが「遅延型」といいます。

私は蚊アレルギーになってしまったのかと思っていたのですが、ただの「遅延型」の反応のようでした。

 

蚊に刺された時の腫れ方の違いは、刺された回数によっても変化するそうです。

生まれたての時は即時型、遅延型のどちらの反応も出ず、1~2歳くらいで遅延型になり、腫れも強く出るようになります。

小学生になると即時型と遅延型の両方が出るようになり、徐々に即時型に移行して腫れも大きく出なくなります。高齢になるとどちらの反応も無くなっていくそうです。

赤ちゃんに腫れが強く出るのは自然なことのようです。

蚊に刺されていくことで徐々に反応も変わるので、あまり心配ないそうです。

ただ、かゆみが、かわいそうですね。

赤ちゃんの場合は患部を冷やしてあげると、かゆみが楽になります。

 

最近耳にする「蚊アレルギー」は、俗称です。

本物の「蚊アレルギー」は、「蚊刺(ぶんし)過敏症」といって、慢性EVウイルス感染症の症状の一つなのだそうです。

EVウイルスは多くの人にとってそれほど害のないウイルスで、幼少期から青年期にかけて感染し、風邪のような症状で治まります。

ごくまれに一部の人はウイルスをうまく排除できずに、何年も風邪症状を繰り返したり、蚊アレルギーなど、さまざまな症状をきたします。

慢性EVウイルス感染症の人は、蚊に刺されると、39℃以上の発熱、水膨れ、水膨れの後黒いかさぶたになり、かさぶたが取れた後、潰瘍のような深い穴が残ったりする症状が出るそうです。

体調や体質によって刺された後の反応が強く出たとしても、多くは「蚊アレルギー」ではないようです。         

 

さて、成長して皮膚が丈夫になってくれば、蚊に刺されたかゆみと腫れ対策に、せんねん灸が使えます。

患部にせんねん灸をすると、かゆみが楽になり、腫れも早く引きます。

患部の循環が良くなり、炎症物質の代謝が促されます。

 

体の過敏性を調整する働きがある「肝臓反応点」のケアをプラスするとより効果的です。

私も患部と肝臓のお灸で、この夏を乗り切りたいと思います。

 

虫刺されにせんねん灸

(副)

おいしい給食 その後

先日、「おいしい給食」が、マイ家族ブームになっているとご紹介しました。


その後、患者さんからも「おいしい給食を見ましたよ!」という声も聴かせて頂きました。
(ちょうどサンテレビで再放送されていますし、映画をご覧になられた方も!)

私たちも、まだその熱、冷めやらずで、近況ご報告を。

① 舞台挨拶に参加!

前回の投稿では、公開直後に、映画を観に行ったお話でした。
実はその1週間後に、主演の市原隼人さんと綾部監督が、神戸でも舞台あいさつに来られるということが分かりました。
ちょうど予定も空いて、まだ席も空いていて、こんな機会は無い!、ということで、2週続けて映画を観に行きました。
人生初舞台挨拶でしたが、役者さんや監督さん、そしてファンの思いが伝わってきて、良かったです。

おいしい給食舞台挨拶
1回目より大きいスクリーンでした

 

② 映画パンフレットの購入!

公開直後の映画館でも、パンフレットは購入できませんでした。
ところが、映画配給会社のサイトで、オンラインで販売されていました。
しかもクリアファイル付きで。
それはもう購入するしかありません。
しかも、前回の映画のパンフレットまでありました。
また出演者や監督の熱い思いを感じることができました。
これまでのドラマの給食が紹介されていて、ますます給食熱が上がっていきました。

AMGエンタテイメント
『劇場版 おいしい給食 卒業』 パンフ+クリアファイルセット
https://www.amg-films.jp/product/1354

おいしい給食映画パンフレット
前回作より大きくなってました!

 

③ 給食グッズ と 給食ごっこ!

そして、自宅で「給食」を再現するようになりました。
メニューはもちろん、給食でよく見る「銀食器」や、再三登場する「先割れスプーン」など。
忘れてはならないのが、毎回出てくる「瓶入り牛乳」と、「ミルメーク」です。
「瓶入り」の牛乳もなかなか近くでは見つけられなかったのですが、ライフ本山店にありました。
「ミルメーク」はネットで見つけましたが、患者さんが「ダイソーにありましたよ!」といただきました!
劇中にはなかった「メロン」「バナナ」「キャラメル」など、色んな味もあって、しばらくは楽しめそうです。

給食再現
ミルメークを入れて振るときは要注意

 

そんなわけで、まだしばらく、給食熱は続きそうです。

(院)

気象病には耳鼻咽喉ケア

今日、ここ近畿地方でも、7月を前に梅雨明けしました。
わずか2週間という観測史上最短の梅雨だったようです。
昨日、セミの今年の初鳴きを聞きました。
セミは、季節の変わり目を、しっかり感じ取っているようです。

セミの羽化
昨年の蝉

 

今年の梅雨は、体調を崩す方が非常に多かったように思います。
特に、そんな気候の影響を受けるのが、「耳」に不調のある方。
耳の働きには、平衡感覚と聴覚があります。
めまいやふらつき、耳鳴りや難聴などが、ある方です。
(平衡感覚は、反射的に働くため、自覚に乏しく、その不調に気づいていない人も多いです。)
そこからつながる自覚症状として、眼の疲れ、顎関節症、頭痛、首・肩こり、自律神経症状などもあります。
(平衡感覚は、動眼神経、運動神経、自律神経諸核とも つながりがあります。)

こういった症状を合わせて、「気象病」とか「天気痛」とも呼ばれています。
天気予報で有名な、ウェザーニュースが、これまでに会員の方々と幾度も検証を行った結果、
「気圧の変化が通常のパターンからずれた時に、頭痛や関節痛などの天気痛を感じる方が多い」ようです。
そのデータを基に、「天気痛予報」も発表されています。

 

ウェザーニュース
低気圧や前線で気圧変化
頭痛など伴う気象病「天気痛」に注意
https://weathernews.jp/s/topics/202206/070075/

 

その原因として、耳の奥にある「内耳」が関係していると言われています。
「内耳」が気圧のセンサーとしても、注目されています。
確かに、新幹線や飛行機など、急な気圧の変化で、耳に違和感を感じます。
耳が何らかの影響を受けていると想像できます。

上記のリンクページでは、天気痛の改善に「耳マッサージ」が紹介されています。

くるくる耳マッサージ
引用 ウェザーニュース https://weathernews.jp/s/topics/202206/070075/

反応点治療で考える「内耳」の反応点も、耳たぶ付け根にあります。
耳マッサージで「内耳点」の皮膚も刺激されそうですが、ローラー鍼でコロコロした方が、より効果的に刺激は届きそうです。

併せて、耳周りの筋を緩めれば、頭痛や顎の痛みも緩和されるでしょう。
首や肩がつらい方は、その周辺の筋も緩めます。

 

あと、そんな「耳」の悪くなる方に共通するのが、「鼻」や「のど」の悪さです。
「上咽頭炎」が影響していることもあるようです。
耳と鼻や咽は、耳管(じかん)という管で解剖学的にもつながっていますし、神経支配的にも同じ脳神経(三叉神経・迷走神経)でつながりがあります。

耳と鼻のつながり


「耳」をケアしてもなかなか良くならない方は、「鼻」や「のど」も併せてケアを行ってみましょう。
反応点治療では、それらの器官の不調を見極め、鍼灸治療を行っていきます。

 

気象病、天気痛のある方は、「耳鼻咽喉」がポイントです!


(院)

 

エアコン清掃で 肩こり予防

つい先日まで暖房をつけていたのに、冷房が必要な季節になりました。
SORA鍼灸院では、寒い間はガスファンヒーター、暑い間はエアコンを使用しています。

しばらく使っていなかったエアコンには、ホコリやカビが繁殖していることがあります。
久しぶりにエアコンをつかうと、それらが空気中を漂います。
さらに季節の変わり目、寒暖差もあって、ノド鼻風邪を引きやすくなります。
喉や鼻の炎症は、その周辺、頭、首、肩まわりの筋肉を反射的に緊張させます。
(内臓ー体性反射)

 

喉や鼻の炎症 → 迷走神経(三叉神経) → 延髄 → 副神経 → 僧帽筋・胸鎖乳突筋
       →  頸部感覚神経  → 脊髄 → 頸神経 → 板状筋・肩甲挙筋など

 

その結果、毎年この時期は、喉や鼻を悪くする人、首肩こり寝違えを訴える人が、増える季節です。

しばらくぶりのエアコンの稼働は、要注意です。
エアコンの清掃や空気の換気をしっかりしてから、使い始めましょう。

 

ということで、SORA鍼灸院でも冷房を使い始める前に、エアコンのクリーニングをして貰いました。
鍼灸院のエアコンは業務用で、年式も古く、掃除も大変なので、業者さんに頼みました。

before
before(いまいち汚れが分かりませんが…)

前回のクリーニング業者さんは、外枠は外されませんでした。
今回は分解出来るところは全て取り外して、清掃して頂きました。

外で高圧洗浄されました
外せない部分はそのまま洗浄

汚れがたまっていたようで、予定より長く時間をかけてクリーニングして頂きました。

エアコンカバー外し
ピカピカになって取り付けられました!
after
after

クリーニング前後の違いがいまいちわからないので、載せるか迷いましたが、清掃中のエアコンの内部や部品も。

クリーニング前
エアコン内部
エアコン内部部品
ドレンの裏側

画像は小さめに…自粛しておきます。

今回、洗浄後に、空気の王様「抗菌・抗ウイルスチタンコーティング」もして頂きました。

今日のような暑い日も安心してエアコンが使えるようになりました。
心地よい空気が漂っています~

(院)

おいしい給食

介護の話題ばかりだったので、たまには息抜きで、マイブームを紹介します。
最近、家族ではまっているのが、「おいしい給食」です。
「給食」がテーマのコメディドラマですが、笑いあり、感動あり、そして「食」について考えさせられることもあります。

1年前のコロナ禍に「劇場版 おいしい給食 Final Battle」を、amazon primeで見たのが始まりでした。
その後、Season1 の連続ドラマを再放送で見て、さらに Season2 が昨年秋に放送され、録画をして欠かさず見ていました。
そして現在、最新作の『劇場版 おいしい給食 卒業』が映画公開されています。

映画『劇場版 おいしい給食 卒業』公式サイト
https://oishi-kyushoku2-movie.com/

先週 5/13 上映開始でしたが、早速先週末、お友達家族と一緒に観てきました。
睡眠不足だったので寝てしまわないか心配でしたが、その心配は全くありませんでした。
主演の市原隼人さんの演技力に今回も圧倒されました。
まだ公開中なので、詳しい内容は書きませんが、「食」への楽しみが伝わってきます。

私たちは、患者さんから、健康に良い「食事」について聞かれることも多いです。
その多くは、栄養面に関してです。

「〇〇の成分が、関節に良い」とか、
「〇〇を食べない方が、アレルギーになりにくい」とか。

確かに、ある成分によって効果を示すことはあるのでしょうが、それだけで身体はできていません。
そして、栄養を取ることだけが、「食事」ではありません。
食事制限の厳しかった、副院長の経験もあります。

私たちは、食べることの楽しみや有難さも、「健康」のためには必要だと考えています。
そういったことが、この映画でも表現されています。

おいしい給食109
109シネマズHAT神戸

 

「給食」と言えば、書籍や映画化されるほど、ここ芦屋では力が入れられています。

書籍「芦屋の給食」
https://amzn.to/39ZeRbC

映画「あしやの給食」
http://ashiyanokyushoku.com/

あしやの給食
こちらも観に行きました

私も子どもながらに、小学校の給食が美味しかったのと、決して残さなかったのを覚えています。
娘の給食の献立表を見ても感心するばかりです。
娘も給食が楽しみで、毎日献立表を携帯し、チェックしています。

つい先日も娘の大好きな「オムライス」でした。
手作りで一つ一つ卵で包まれています。
全校生徒だと大変すぎるので、学年毎に回ってきます。
給食の先生にも感謝です。

そんな作り手の苦労や工夫も感じられる「給食」。
食への感謝の気持ちを忘れないでいて貰いたいと思います。

ミルメーク
(映画鑑賞プレゼントのミルメーク)

 

(院)

嚥下障害による食事の変化

父の以前の生活から大きく変わったのが、食事です。
退院してきた時は食欲がなく、食べたい物も思いつかない、といった状態でした。
体重も入院前から10kg以上やせてしまいました。

脳梗塞の影響で嚥下に必要な筋肉がうまく動かせなくなったことと、長い入院であまり会話できず声も出さずにいたことで咽周りの筋肉が衰え、食べ物を飲み込む力が落ちました。

飲み込むのが難しいので食事に時間がかかり、嚙んだり、飲み込んだりすることに疲れてしまいます。
思い通りに動かせないのか、口の中を噛んでしまうこともありました。

嚥下障害で特に困ったのは、飲み物です。
サラサラした水分はすぐに咽に流れ込んでしまうので、自分のタイミングで飲み込むことができません。
飲むとむせてしまいます。
果汁の多い果物もジュワッと水分が出てくるのでむせます。
飲み込みがうまくできないと、食べ物が気管に入り、気管から痰がたくさん分泌されます。
痰は気管に入る異物を出すために分泌されます。
飲み物でむせる、痰がたくさん出てくることは、嚥下力が落ちているサインです。
父の場合、常に痰が出ていて、食べる度にむせる状態でした。

飲み込むことが難しい時は、食べ物にトロミをつけると飲み込みやすくなります。
言語聴覚士さんにより、飲み込む様子を確認しながら、安全に飲み込めるトロミの濃さや、食べられるものを探す事が続きました。
とにかく食べられるものを食べて、体力をつけることに専念することになりました。

まず、濃いめのトロミが必要と判断されました。
当初は、お茶にとろみをつけて出していましたが、父はほとんど飲んでくれません。
とろみ付きのお茶はまずいのだそうです。
実際にそれを飲んでみると、美味しくありません。
(家族や患者さん、利用者さんにして貰うことは、自分も体験してみると良いです。)

例え飲み込みが安全だとしても、飲まなくなれば、脱水の心配があります。
お茶はあきらめて、水分補給ゼリーや栄養補給ゼリーに切り替えると飲んでくれるようになりました。

さらに食事は、柔らかいとか、細かく切れば良いというわけでもありません。
粒状のカスが咽のポケット(梨状陥凹や喉頭蓋谷)に残れば(咽頭残留)、誤嚥性肺炎の原因になることもあります。
最後に水分で流すことも有効のようですが1)、父はよくむせていたので、ペースト状の食事が勧められました。
でもペースト状のおかずは、あまり食が進まないようでした。
(見た目もあまりよろしくありません…)

代わりに、高栄養のゼリーや豆腐などの介護食なら食べやすいようで、自分から食べてくれるようになりました。
高カロリーで溶けやすいチョコレートも食べやすいようでよく食べてくれました。
好んで食べるものは、不思議と むせにくいこともあるようです。

介護食品を取り扱うサイトには、嚥下力の程度に合わせた、飲み込みやすく、栄養価の高い食品が沢山あります。
ネットで注文するとすぐに届いて、忙しい時も大変助かりました。

先ほどの「トロミ剤」も多種多様で、進化もしています。
家庭にある片栗粉やデンプン系のトロミ剤だと、唾液で消化されて食べるうちにサラサラになってしまいます。
最近主流のキサンタンガム系のトロミ剤なら、粘度が維持され、味や安定性も改善されています。2)
介護用に作られ工夫された食品が沢山あることに驚きました。

そんな飲み込みやすい高栄養の食事のおかげで、父も少し体重が増え、意欲も出てきました。
すると次に課題となったのは、口腔内環境です。

噛まずに飲めるものばかりだと唾液の分泌が悪くなります。
唾液は、口内の抗菌作用、食べ物を飲み込みやすくする作用があります。
また、唾液は食べ物と混ざる事で、舌の味蕾に味覚を伝える役割も担っています。
唾液が出にくくなっているのか、父の味覚も以前とは変わっているようです。

唾液が出やすくなるよう、最近はカスが残りにくいスナック菓子で噛む練習をしています。
咀嚼や嚥下に必要な筋肉は使うことで復活していきます。 
口から食べることを諦めずにリハビリを続けることが大切です。

ただ、咀嚼や嚥下が難しい時は、食事に時間もかかり、顎や頬、咽や首の筋肉に負担がかかって、こわばりが出ています。
鍼灸で顔周りの筋肉をほぐすことで、動きやすくなり、また唾液の分泌も促されます。
唾液分泌に関する鍼灸の研究もいくつかあります。
多くが経穴への治療ですが、唾液腺のある顔面部への局所刺激が、他の部位よりも有効であったことも報告されています。
反応点治療でも、頭部、特に咀嚼筋(側頭筋や咬筋)、唾液腺付近の反応点に、アプローチしていきます。

父は、言語聴覚士さんによるリハビリ、私たちによる鍼灸など、いくつかの介入により、嚥下状態や発声状態も改善してきているようです。

だんだんに父の状態がわかってきて、生活のリズムが整ってきています。
生きていくために必要不可欠で、生きがいにもなる「食べること」。

引き続き、見守っていきたいと思います。

(副・院)

 

1)咽頭残留とフィニッシュ嚥下

2)とろみ調整食品

3)シェーグレン症候群(SjS)患者の乾燥症状に対する鍼治療効果