第8回 関西⇔東北⇔九州ポジティブ生活文化交流祭!

毎年11月23日の祝日に大阪長居公園で開かれているイベント。

個人的には毎回遊びに出かけていましたが、今回は、はり灸レンジャーとして初めて出展しました。

会場は屋外ですし、寒さも気になりましたが、22人の方に鍼灸を体験して頂きました。


(施術する私、受付に座る院長と娘)

前日の雨で足元がぬかるみ、寒風の吹く中でしたので、お天気ならもう少し客足も伸びたはず?

このイベントには、地元関西、そして東北や九州から50を超える団体がブースを出展していて、美味しい食べ物やご当地グッズ、手作り品など、お手頃で素敵な商品が沢山でした。
施術の合間にしっかり楽しみもしましたよ。

今年の戦利品は、毎年楽しみにしている東北「千寿(ちじゅ)の会」さんの手芸品、大阪「こさり」さんのパンとお菓子、滋賀「つるや」さんのサラダパンとラスク、そしてステンレスのお皿!


(皿に乗るパンとラスクは翌日の朝食に)

娘が見つけて大興奮だったお皿は一枚200円。
いろいろな種類があり、高いものでも500円。

はり灸レンジャーのメンバーも次々に買ってしまったこのお皿、我が家は2枚も購入してしまいました(笑)

購入してからというもの、毎食この状態で食卓にのぼっております。

娘は「このお皿大好きすぎる~」と皿を抱きしめたり、磨いたり、満喫している様子。
楽しい買い物でした。

さて、来年はどんな掘り出し物があるでしょう。

できればもう少し暖かい祝日になりますように。

11/23(祝)大阪でのイベントに出展します

東北の震災以降、被災障害者支援の一つとして、大阪でイベントが開催されてきました。
私たち「はり灸レンジャー」が現地訪問でお世話になるNPO団体が来られていることもあり、ここ数年は参加していました。
交流祭ということで一般客として参加させて貰っていましたが、今年は違います。
はり灸レンジャーとして、出展させて頂きます!

被災地で行ってきたように、鍼灸施術やセルフケアの方法やポイントをお伝えします。
セルフケアグッズの販売も行ないます。
被災地と違って今回は料金を頂きますが、体験価格となっています。
また、売上の一部を、被災障害者の支援として使われる「ゆめ風基金」へと募金もさせて頂きます。

当日は他に50以上ものブースが出展されています。
東北や熊本で、被災された団体も来られます。
グッズの販売、食べ物の販売もあります!
子ども向けのコーナーもあります!

ご都合のつく方、是非お越しになられてください!

 

ずーっと続けてく被災障害者支援イベント
第8回 東北⇔関西⇔九州ポジティブ生活文化交流祭

【日時】 2017年11月23日(木・祝)11:00~16:00
【場所】 大阪長居公園 自由広場

詳細は下記ホームページへ↓
http://tohoku-kansai.seesaa.net/

(時計台のある入口すぐの本部の隣のテントが、はり灸レンジャーです)

野球選手の鍼施術報道のその後

昨日はめずらしく夜テレビを付けると、めずらしく夜遅くに野球の試合が。
日本代表 × 韓国代表の試合がライブで放送されていました。
日本が9回裏で追いつき、逆転されるも、さらに劇的な逆転サヨナラ勝ち。
偶然にも面白い試合が見られて興奮気味でした。
そして気になっていた野球に関する投稿を。

 

ある野球選手が「鍼施術で神経麻痺を生じた可能性がある」という報道がありました。
数人の患者さんとの話題にも上がりました。
所属する勉強会や合宿でも議題に上がりました。

結論から言うと、鍼灸の針で神経障害は、あり得ないと私も思います。
(鍼の形状、神経の性状、麻痺を起こしたとする神経の位置、麻痺を起こす他の要因、症状出現と施術の時系列、過去の事例の検討などなど)
ただ実際その施術や経過を知るわけではないので、何ともすっきりはしませんでした。
それは多くの鍼灸師や整形外科医でさえも思っていたことではないかと思います。

 

それを代表するかのように、鍼灸団体等が連名で、9/21に球団側へ公開質問状を送っていました。
(その診断に至った医師や、鍼施術を行なったトレーナーに対する質問など)

全日本鍼灸学会HP
「プロ野球選手への鍼治療による長胸神経麻痺に関する報道について」

毎月発行される鍼灸の専門誌でも、特集が組まれていました。

医道の日本HP
「2017年11月号 緊急報告 鍼施術報道の検証」

そして先週 11/8に、その質問に対する返答が球団側からもありました。

全日本鍼灸学会HP
「はり治療による長胸神経麻痺に関する報道についての照会に対する読売巨人軍の回答について」

この回答からは、どういった施術を行なったかは、依然わかりません。
質問に対する十分な回答とは言えず、まだすっきりはしませんが…
鍼治療の有効性を認めている内容にはなっています。

 

今回の騒動に思ったのは、言葉の捉え方と報道の影響力でしょうか。

最初の報道では「鍼治療によって引き起こされた『可能性が考えられる』」ということでした。
それは確率が0でなければ、そういう言い方でも間違いはありません。
(万が一でも、0と断言できないから、こうして物議にもなったのでしょう。)
医師も可能性の話を言っただけに過ぎなかったのかもしれません。

ただ、それがこのように報道に取り上げられてしまうと、これだけの人々に影響も与えてしまいます。
普段から鍼治療を受けている人は、不安に思うことは少ないかもしれません。
しっかり説明ができれば、心配に思うこともありません。
ただ鍼灸を知らない人が、この最初の報道だけを聞いてしまうと「鍼は怖い」ともなるのです。
さらに、その後の球団側からの鍼治療に対する好意的な回答については、あまり取り上げられなかったりもするのです。
(実際、最初の報道を知っている患者さんも、その後のことは知りませんでした。)
だから、この文章を書きました。

鍼灸は、怖いものではありません。

芸術+行楽の秋

8日水曜日、雨の中でしたが、
大阪中之島図書館 → 中之島公園バラ園 → 京都大山崎山荘美術館と、
出掛けてきました。

まずは中之島図書館。

「100年後に残したい大阪の風景」という写真展をのぞきに。
一般の女性3人の方が切り取った、大阪の風景が飾られていました。
どんどん変わっていく街ですから、自分の好きな景色を残しておくと素敵ですね。
写真は少なめでしたが、町や物の見方についてヒントをもらったような気がしました。
中之島図書館も趣きのある素敵な建物で、また訪れたいと思います。

 

続いて近くの中之島公園へ。
年2回開花時期を迎えるバラ園に行きました。
バラは5月中旬~下旬、10月下旬~11月中旬が見頃だそうです。

小雨の中でしたが、雨粒の光る、みずみずしいバラも綺麗でした。

都会の真ん中にこんなにたくさんの綺麗なバラがあるとは。

豊かです。

 

さらに続いて電車に乗って、京都の大山崎山荘美術館へ。
駅を降りてすぐに山の良い香りがします。
小雨は霧雨に代わって、靄の中の美術館へ向かう山道は風情があって素敵でした。
色づき始めた紅葉が、えも言われぬ美しさでした。

大山崎山荘美術館は大正から昭和初期にかけて、実業家の加賀正太郎が別荘として自ら設計した山荘だそうです。

平成に入って取り壊しの危機もありましたが、加賀正太郎と深い親交のあった、アサヒビール初代社長山本為三郎とのご縁から、現在のアサヒビール株式会社が、京都市、大山崎町と協力して復元整備し、美術館として蘇りました。

美術館には山本為三郎のコレクションが寄贈されています。
今回は企画展の「有元利夫展」が開かれていました。
副題に「物語を紡ぐ」とあるように、物語の一部のような、音楽が聞こえるような作品の数々でした。

建物もとても素敵でした。以前は食堂だった、応接室だったなど、説明書きを観ながら、モチーフを探したり、ドアを開けて外から眺めたり、トイレのドアを開けるのさえワクワクしました。

加賀夫妻の寝室だった場所がテラスのある喫茶室になっており、リーガロイヤルホテル京都のお茶とケーキが楽しめます。
今は有元利夫作品をモチーフにしたケーキがメニューになっていました。折角なのでテラス席でケーキセットも頂きました。
そうそう、もちろん、アサヒビールもあります。(笑)

テラスからの眺めも素晴らしかったです。
霧のカーテンの向こうに、男山と天王山、その間を流れる木津川、宇治川、桂川が、大阪へ向かう景色が望めました。
この眺めの為に、ここに別荘を建てたのだろうと想像できます。

 

この美術館の見どころは、周りの庭園にもあります。
自然好きの院長は、こちらの方に心を惹かれていたようです。

 

秋の行楽シーズン、美術鑑賞や紅葉狩りにいかがでしょうか?

 

大阪市中之島公園

中之島公園

大阪府立中之島図書館
https://www.library.pref.osaka.jp/site/nakato/

大山崎山荘美術館
http://www.asahibeer-oyamazaki.com/

フランス近代絵画と珠玉のラリック展

こんにちは。秋らしい良いお天気ですね。

SORA鍼灸院の休みの昨日、「ユニマットコレクション フランス近代絵画と珠玉のラリック展 やすらぎの美を求めて」を鑑賞に、六甲アイランドにある「小磯記念美術館」へ出かけてきました。

 

本展は、ユニマットグループの創業者、高橋洋二氏が、長年にわたって収集してこられた西洋美術品の中から、選りすぐった精華を紹介するものです。バルビゾン派のミレーやコロー、19世紀のサロンで活躍したエンネル、レアリスム絵画のクールベ、そして印象派のドガ、ルノワール、フォーヴィスムのドラン、デュフィ、エコール・ド・パリのユトリロ、モディリアーニ、藤田嗣治まで、伝統と革新がめまぐるしくせめぎ合った19世紀の美術の流れを追いながら、それぞれの時代を代表する画家たちの優品を展観します。本展では、同コレクションからアール・デコを代表する工芸家、ルネ・ラリックのガラス作品もあわせて展示します。

以上 神戸市 暮らしの情報より抜粋。

 

この展覧会は小磯記念美術館開館25周年の特別展。

上の紹介文にあるように、そうそうたる画家の作品が沢山並んでいました。

もともと小磯良平の作品は素敵だなぁ、と思っていましたが、憧れのラリックも観られる!と楽しみにしていました。

 

 

作品は静かで穏やかなものが多く、そして美しい。

心が穏やかになって、潤うような展覧会でした。

こんなに素敵な作品を、沢山、ゆっくりと一度に鑑賞できるなんて、何という贅沢でしょう。

幸い昨日はお天気も良く、美術館の周りの散歩も楽しめました。

六甲アイランドの並木も色づき始めていましたよ。

娘はクマが出ないかと警戒しながら、ドングリ拾いも楽しみました。

 

 

展覧会は11月12日(日)まで開かれています。

お近くの方は是非。

お近くでない方にもお薦めの展覧会です。

秋らしい一日を楽しみました。

 

 

神戸市立 小磯記念美術館 ホームページ
http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/koisogallery/

被災地東北の復興の差

先月9/19(月・祝)~9/20(火)、「はり灸レンジャー」として東北へ行ってきました。
今回は娘を祖父に預け、夫婦二人で参加しました。

詳しい内容や感想、被災地の様子は、こちらに↓

はり灸レンジャーブログ

復興の差(その一)
復興の差(その二)

福島訪問を終えて

 

阪神淡路大震災のときと比べると、復興が遅れていることは、その規模からも想像がつきます。
そして実際に現地に訪れてみると、東北地方の大きさを実感します。
(岩手県、福島県は、北海道に次ぐ面積です。)

地域も広ければ、被害の程度や様子もそれぞれです。
同じ被災地東北といっても、地域で復興の差を感じました。
元々の過疎化や高齢化の問題もあります。
そして、原発事故の被害があります。

 

今回は福島県田村市にあるNPO団体の事業所で鍼灸治療を行ないました。
田村市は、福島第一原発のある双葉郡の内陸にはなりますが、放射能被害の影響は受けています。
施術中には、震災をきっかけに、仕事や職場を変えられた話をよく伺います。

実際にそういう方とお話しすると、より他人ごとではなくなります。

また、今回は震災後はじめて、原発周辺の町を車で通りました。
といっても、未だある帰還困難区域には、自由に入れません。
これまで訪れた被災地とは違って、一見手つかずのようにも見える風景に唖然としてしまいます。

 

 

放射能被害については、わからないこと、見えないこともあり、その対応にも意見が別れます。
肉体に与える影響だけではなく、精神面、環境面にも与える影響を考えねばならないのでしょう。
6年半経ってのこの現状は、人間が、手に負えないものに、手を出していると感じざるをえません。
この惨事をきっかけに、考え方を変えていかねばと思います。

そんな被災地で感じたことを、身近な人たちにも伝えていきたいと思います。

 

 

お盆休みあれこれ

こんにちは。
お盆休みを終えて、SORA鍼灸院は今日から診療しています。
皆さまはいかがお過ごしでしたか?

我が家は、芦屋の実家に親戚が帰省していたので、近場でアクティブに過ごしました。

まずは早起きして、垂水漁港で魚釣り。

小さいですが、アジ、カサゴ、タイ、ベラが釣れました。

私たちの釣り上げた魚を見た地元のおじさんが、
「そのチャンコ付けて(餌にして)、浮きつけて、遠くへほって(放って)大きいの釣りぃ」と随分勧められましたが(笑)


(今回の釣果)

 

そしてすぐ隣にあるアウトレットへ。
朝早くだったからか、思ったより空いていました。
魚釣りの道具も持っているのに、せっかくだからとFranFrancで雑貨を購入(笑)

 

それから須磨へ移動。


(渋滞のない電車移動で)

 

須磨浦山上遊園」を目指して、まずはロープウェイに乗ります。

 

思ったより速いスピードで、あっという間に発着所へ到着。
そしてすぐに次の乗り物が見えてきます。

乗り心地の悪さにこだわるレトロな乗り物、ブラタモリでも紹介された「カーレーター」です。

ガッタガタの振動と傾斜のすごさに皆なぜか笑いが出てきます。
笑いの出てくる乗り心地は是非体験されて下さい(笑)

山上には「まわる喫茶 コスモス」があります。
回転しているので眺望を楽しみながら軽い食事ができます。
若干早めの回転なので、酔うという意見も(笑)


(持参の双眼鏡で)

(明石海峡大橋も)

 

食後は山上を散歩。
お天気にも恵まれて景色は最高でした。

須磨浦山上遊園は全てが素朴でレトロ。
帰りには3歳からは1人で乗る決まりがある、(うちの4歳の娘にはスパルタな)リフトにも乗り、満喫しました(笑)

(よく頑張りました)

 

夜には芦屋に戻って「潮芦屋温泉 スパ水春」へ。
ここでは天然温泉を含めて合わせて13種類のお風呂が楽しめます。
朝から連れまわした親戚にも疲れを癒してもらえたと思います。

(院長はサウナでアロマ蒸気を浴びる「ロウリュウ」サービスの為に、頑張って長めにサウナに入り、アロマ熱風を浴びたので、いつになく疲労した姿で現れましたが(笑))

 

翌日は祖父とゆっくり過ごし、気になっていた家中の掃除もできました。

さらに翌々日は大阪の親戚の家に行くついでに、国立国際美術館で開催されている、ボイマンス美術館所蔵ブリューゲル「バベルの塔」展 にも、いってきました。

ブリューゲル「バベルの塔」展

ブリューゲルの細部にわたるリアルな表情、表現には圧倒されました。
この展覧会の絵の中のあちこちに登場する変な怪物も見どころです。

 

良いお盆休みになりました。

しっかり充電できたので8月後半もしっかり頑張れそうです!

 

 

認知症の改善

「認知症」の患者さんにおいて治療効果を感じられた一例です。

元々は、「頻尿」の為の治療でした。
頻尿は、膀胱反応点への施灸や刺鍼で、改善はよく見られます。
鍼灸の得意とするところでしょう。

また、反応点治療では、全身治療を行ないます。
認知症薬を長く服薬されていることもあり、頭皮にも注目して施術、セルフケアもお願いしました。

すると、2回目の施術の時点で、

「頭がはっきりしてきた」

と、思わぬ効果がありました。
その後も、鍼灸を始めてから、変化してきた様子です。

「薬を自ら飲むように」
「応答がしっかりするように」
「置いてあった洗濯物を畳むように」
「料理の手つきがしっかりしてきた」
「ゴミ捨てを積極的に行なうように」

記憶力の向上というよりは、意欲の向上かもしれません。

しかし、「意欲低下(アパシー)は、認知症の原因となる疾患のほとんどすべてで、最も高頻度に認められる行動・心理症状(BPSD)である。」※

とあります。
他にもパーキンソン病、脳卒中後患者、脳器質疾患など、多くの神経障害疾患で、見られる症状です。
BPSDといいつつも、抗認知症薬で改善がみられることもあり、脳内の神経伝達物質や前頭葉-皮質下回路の障害ではないかとも言われています。

(今年2月には「脳内にある、やる気のスイッチを発見」※2 というニュースもありました。大脳基底核(腹外側線条体の D2-MSN)の細胞集団にあるようです。)

 

意欲の低下は、QOLの低下や、介護者への負担にもつながります。
意欲低下が、老いること、そして認知症につながるとも考えられます。

意欲の向上が見られたということは、本人や家族にとって喜ばしいことです。
それが、認知症の予防や老化の抑制にも、つながるかもしれません。

 

全身治療の為、何が作用しているかは不明です。

しかし、頭皮に反応点が見られていたこと、鍼灸を始めてから改善が見られたことから、鍼灸治療やローラー鍼刺激に何かしら効果があったのではと思います。

認知症患者さんに限らず、予防も見据えて、頭皮の反応点には注目していきます。

 

※1 認知症疾患治療ガイドライン2010

※2 脳内にある、やる気のスイッチを発見-意欲障害の治療法探索が可能に-
慶応義塾大学 医学部

 

 

認知症と頻尿

前回「認知症の鍼灸治療」に引き続き、
今回は、認知症と頻尿について。

 

 

どちらも、高齢者に多い症状の為、同時に悩まれている方も多いようです。

「認知症」の薬に、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(アリセプト等)があります。
アルツハイマー型認知症では、脳内のコリン作動性神経の機能低下が起こっており、アセチルコリンが低下しています。
脳内のアセチルコリンを分解する酵素を阻害することで、コリン量を増加させ、認知機能を改善します。

「頻尿」に出される薬に、抗コリン薬があります。
膀胱周辺にはコリン作動性の神経が存在しており、排尿筋の収縮、括約筋・三角筋の弛緩作用により、排尿を促進させます。
その副交感神経亢進のアセチルコリンの作用を抑えることで、コリン量を減少させ、頻尿を改善します。

この相反する作用から、従来の過活動膀胱に対する抗コリン薬には、脳(中枢)へも影響を与えるものがあり、注意も必要です。

(最近の頻尿(過活動膀胱)の薬には、膀胱だけに作用するものや、上記と違う作用(交感神経を促進)で改善するものもあります。どちらの症状に対しても、併用できるお薬はあります。)

 

その抗コリン薬が、認知機能へ与える影響について。

「認知機能低下を誘発しやすい薬剤」というものが、認知症疾患治療ガイドライン※1 にも載っています。

睡眠導入剤、向精神薬などが上げられますが、抗コリン薬もあります。

その薬を止めれば治まる短期的なものもあるようですが、「長期的な抗コリン作用のある薬の使用で、認知症発症リスク増加」という研究※2 もあります。
「65歳以上の高齢者が、3年以上常用量の抗コリン作用のある薬の使用で、認知症のリスクの増加が生じる可能性がある」ということです。

この抗コリン作用の薬は多く、頻尿改善、下痢止め、抗パーキンソン、酔い止め等があります。
また、抗ヒスタミン剤も、副作用として抗コリン作用を持っているそうです。
とても多くのお薬が該当するので、注意は必要でしょう。

 

逆に、認知症薬が、膀胱へ与える影響も考えられます。

アリセプトのホームページ※3 には、
「副作用として、頻尿が8例/4429例(0.18%)が報告」
「頻尿の発現機序については、コリン作動性作用が影響する可能性」
ともあります。

確率は非常に低いですが、0とは言えないようです。

 

こういった薬の影響もあるので、おかしいなと思えば、医師や薬剤師さんに相談されてみて下さい。

 

この認知症患者さんの頻尿という症状は、少なくないようです。
記憶障害の影響で、トイレに行ったことを覚えていなくて、何度もトイレに行くこともあります。

周辺症状(BPSD)ととらえ、環境や接し方を変えることで、改善することもあります。
つまり何かしら理由があって、「頻尿」という行為につながっているということです。

例えば、トイレに行くことで、落ち着くことはあります。
何か不安を紛らわせるために、トイレに行くことも考えられます。
そのときは、その「不安」を対処することで、「頻尿」が治まることもあるのでしょう。

認知症の症状も、頻尿も、その人それぞれの原因があります。
いろんな視点で考えていく必要がありそうです。

 

※1 認知症疾患治療ガイドライン2010

※2 Cumulative use of strong anticholinergics and incident dementia: a prospective cohort study.
Gray SL. JAMA Intern Med. 2015 Mar;175(3):401-7. doi: 10.1001/jamainternmed.2014.7663.

※3 アリセプト(エーザイ) 第Ⅶ章 注意すべき副作用とその対処法

 

 

認知症の鍼灸治療

私たちが所属する反応点治療研究会では、毎月の関西勉強会があります。
開業や勤務されている先生方が集まり、症例報告などが行なわれています。

今月は、私(院長)の担当で、認知症の治療について発表を行ないました。
良い治療効果が出ていることもあり、結構いろいろ調べもしました。
こちらでもまずはその「認知症に対する鍼灸治療」について、ご紹介します。

先日のブログでも投稿しましたが(「H28年の国民生活基礎調査」)、これからの高齢化社会を迎えるにあたり、認知症対策は他人ごとでは無くなってきています。

長生きするようになれば、認知症になるのは、しょうがないことでしょうか?
しかし、高齢化が進んでいる欧米では、認知症の有病率が減ったという研究結果も増えています。※1,2
その理由としては、生活習慣病の改善、教育水準の上昇などが言われています。
(途上国で糖尿病の増加率が著しく高いこともあります。)
統計からは何が要因かは明確にされませんが、対策ができるものではあるのでしょう。

また、脳の典型的な変化は何十年も前から始まることは言われています。
アルツハイマー病の原因としていられるアミロイドβなどの蓄積も40歳代頃から起こり始めると考えられています。
つまり、「予防」が一つのテーマとなっています。

 

その認知症発症の要因となっていると考えられているものに、高血圧と糖尿病があります。

高血圧は、動脈硬化を引き起こします。
脳内の血管の梗塞が、脳の働き、認知機能にも影響します。

継続して鍼灸治療をしていると、高かった血圧が低下していくことはよくあります。
(交感神経活動の抑制、末梢の血液循環の改善でしょうか。)

また、先月の鍼灸学会でも紹介されていましたが、鍼灸刺激が、脳内のアセチルコリンを増加させ、脳内血流を増加させる効果があるという研究もあります。

大脳皮質におけるコリン作動性血管拡張系:鍼治療と老化の影響」※3

「頬および四肢(特に前肢・後肢)への鍼 or 灸刺激が、体性求心性神経(Ⅲ,Ⅳ群)を介し、脳内のマイネルト基底核に作用し、コリン作動性の血管拡張系を活性化する」とあります。
ラットでの研究ではありますが、老齢ラットでもその効果は見られています。
認知症を発症した高齢者にとっても、期待できる結果ではないでしょうか。

 

そして、現代病とも呼ばれる糖尿病です。

糖尿病患者における脳血管性認知症発症の相対危険度は2倍、アルツハイマー病の危険度も1.9倍、中でもインスリン治療を受けている糖尿病患者ではその危険度が約4倍にまで上昇するという結果が出ています。(Rotterdam Study)
日本の久山町調査でも、脳血管性、アルツハイマー病、どちらも2倍近くの危険度が報告されています。

糖尿病と認知症の関係は完全には解明されていません。
しかし、糖尿病による合併症の多くが血管障害であることから、高血圧と同様、脳内の循環障害も十分考えられます。
また、インスリン分解酵素にアミロイドβの分解作用があることや、インスリン抵抗性により脳内での糖代謝に変化が起こることも言われています。
インスリン抵抗性改善薬や、脳内へのインスリン移行が顕著な点鼻インスリン療法が、効果をあげているそうです。
アルツハイマー病は、脳で起こる糖尿病なのではないかとも考えられており、「3型糖尿病」と呼んだり、「脳型糖尿病」として認識もされているそうです。※4

この糖尿病に対しても、鍼灸治療にできることがあります。
血管拡張作用による合併症対策、膵臓反応点にも直接アプローチします。

高血圧、糖尿病といった疾患への対策をする観点からも、鍼灸治療は、認知症に対して大いに役立ってくれそうです。

 

では、その認知症患者に対する鍼灸治療の研究はないのでしょうか?

中国の文献ですが、ありました。

アルツハイマー病患者の鍼治療の有効性と安全性:ランダム化比較試験の系統的レビューとメタ分析」※5

(・「ランダム化比較試験」(RCT)
=2つの群(治療群(治療を行う群)と対照群(治療をせず観察のみの群))に分ける際に無作為に分けている研究。
・「系統的レビュー」
=文献をくまなく調査し、RCTのような質の高い研究のデータを、データの偏り(バイアス)を限りなく除き、分析を行うこと。
・「メタ分析」
=「分析の分析」を意味し、統計的分析のなされた複数の研究を収集し、それらを統合したり比較したりする分析研究法。)

つまりは、いくつかの研究を分析に分析を重ねた結果、

・6つの試験結果から、鍼治療が薬物よりも優れていること(MMSEスコアの改善)が示された。
・3つの試験結果から、鍼治療とドネペジルの併用が、ドネペジル単独より有効であること(MMSEスコアの改善)が示された。

ということらしいです。
全て中国国内の研究で、対象年齢や治療期間のバラつき、それぞれの治療や研究を検証したわけではないので、何とも言えませんが…
(治療点(ツボ)は、百会、足三里が最もよく使われ、他、血海や頭皮のツボなど。)

 

前述した日本での研究と併せても、鍼灸(刺激)が、認知症に対して何らかの好影響を与えてくれそうです。

では、当院での実際の認知症患者さんへの鍼灸治療の効果はというと、
それはまた後日に。

(しばらく続けます)

 

※1 A Comparison of the Prevalence of Dementia in the United States in 2000 and 2012
KM Langa, et al. JAMA Intern Med 2017;177: 51-8.

※2 A two-decade comparison of prevalence of dementia in individuals aged 65 years and older from three geographical areas of England: results of the Cognitive Function and Ageing Study I and II
FE Matthews,et al. Lancet 2013;382:1405-12.

※3 Cholinergic vasodilative system in the cerebral cortex: effects of acupuncture and aging.
Uchida S. J Acupunct Meridian Stud. 2014 Aug;7(4):173-9.

※4 糖尿病合併症としてのアルツハイマー病

※5 The effectiveness and safety of acupuncture for patients with Alzheimer disease: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials.
Zhou J, Peng W, Xu M, Li W, Liu Z. Medicine (Baltimore). 2015 Jun;94(22):e933.