THE SCIENCE OF YOGA

前回の本に続き、科学的に知りたくなるのが性格のようです。
患者さんが、ヨガをされていたり、ヨガの指導をされていたりと、よく話題にもあがります。
が、私(院長)は経験もなく、どういったものか、わからないでいました。
運動や体操の一つで、今の現代生活に合っているのだろう(流行りから)という程度にしか思っていませんでしたが、この本を読むとまた印象は変わりました。

単に「ヨガはいいですよ」と書かれているのではなく、リスクや負の影響についても科学的に検証されていて(参考文献の紹介だけでも60ページ近くあります)、逆にヨガに対して良い印象が持てました。
(原著者はヨガ歴40年のヨガ愛好者でもあり、バイアスもありそうですが。)

意外だったのは、「ヨガは身体の代謝率の低下に極めて効果的」ということ。
つまり、「すべての条件が同じならば、ヨガを実践する人は燃焼するカロリーが少ないため、体重が増え、脂肪が蓄積されやすくなる。」ということです。

しかし、私の知る限りのヨガの先生や実践者は、筋肉質でスリムな体型の方も多いように思います。
それは、代謝率を低下させたとしても、それ以上の(ダイエット)効果として、「ヨガ行法によって身体に対する気付きが高まることや、心が落ち着いてストレスによる摂食が減ることなどが考えられる」というものだそうです。

それは、鍼灸治療でも同じことがあると思います。
「鍼灸でダイエットできますか?」という質問は度々受けてきました。
ここに鍼を刺せば痩せるなんてことは、知りません。
でも、「ストレスを軽減することで、食欲が落ち着き、痩せることはある」とは答えます。
ストレスを紛らわせる為に、食に走ってしまうことはあると思います。
慢性的にストレスが加えられると、前頭前野の機能が低下し、思考力・判断力・集中力が低下して、感情や衝動の抑制が上手く働かなくなるとも言われています。
そのストレスを軽減することができれば、鍼灸もダイエットに効果的なのです。

話がそれましたが、ヨガの魅力の一つは、「呼吸」ではないでしょうか。
頻呼吸で、体内のCO₂蓄積量、血中濃度が低下します。(O₂が関わっているわけではないことはポイント。呼吸に応じてO₂量が変化するものではないのです。安静時の酸素量は、ほぼ飽和状態なので。)
その頻呼吸はいわゆる過呼吸とも呼び、行き過ぎると、立ちくらみやめまい、頭痛、意識の喪失などもあり得ます(呼吸性アルカローシス)。
しかし、適度に抑えることができれば、気分を高揚させ、アドレナリンを放出させたりと、自律神経系・免疫系に影響を与えることもできるのです。

逆に徐呼吸となれば、CO₂の排出が抑えられ、血中濃度は上昇します。
「その結果として脳血管は膨張し、脳が酸素を取り入れる量が、増加」します。
それは、「精神面に強い効果があり、穏やかな覚醒状態やありのままの気づきが促される」ようです。
「極めて心地よい静寂感」とも称されています。
動物が周囲を慎重に探り警戒して身構えるかのように。

つまり、「早い呼吸法は興奮させ、遅い呼吸は落ち着かせる傾向にある」のです。

また、ポーズによっても(頭立ち、肩立ち)、頸動脈圧を調節し、自律神経系に作用できることが書かれています。
しかし、そのポーズによっては、椎骨動脈等へ負担をかけ、深刻な損傷が生じ得ることもあります。
従って、ヨガも素人判断で実践するよりも、よく勉強された信頼のある先生に指導してもらうか、自分でしっかり理解して行なうのが賢明なのでしょう。

まずは呼吸法からでしょうか。
私たちも取り入れてみたいと思います。

 

 

2017-03-07 | カテゴリー : その他, 本 | 投稿者 : sorashiya