アレルギー市民公開講座にいってきました

日本アレルギー協会主催の市民公開講座に出かけてきました。

私(副院長)も所属している日本アレルギー協会は、1966年に石坂公成先生がIgE抗体を発見したのを機に1967年に発足しました。
IgE抗体が米国のアレルギー学会で発表された2月20日を「アレルギーの日」と制定し、1995年からその前後1週間 を「アレルギー週間」としてアレルギー疾患に対する一般の方々や医療従事者の理解と啓発活動を行っています。

神戸会場のテーマは
『治療について考えよう』

第一部
「花粉症・アレルギー性鼻炎の対策と治療」
都築健三先生(兵庫医科大学病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 准教授)

第二部
「アトピー性皮膚炎をしっかり治すために、正しく理解しよう」
福永淳先生(神戸大学医学部付属病院 皮膚科 講師)

という2つのプログラムでした。

第一部では、

鼻の仕組みや炎症の起こる機序の説明から始まり、対処療法、根治療法の種類と方法、セルフケアのアドバイスもありました。対処療法としていくつかの手術の様子を実際に見ることもできました。

配られた冊子によると、

・根治療法である減感作療法(皮下免疫療法)は症状の軽減、無症状が80%以上であるが、治療が年単位で頻回の通院が必要であること。

・新しい免疫療法である舌下免疫療法は皮下免疫療法より副作用が少なく、初回以外は自宅でできる手軽さはあるが、患者さん自身の理解がより必要になること。

・皮下免疫療法は季節の3か月前からの通院と皮下注射を年単位で行う必要があり、副作用の可能性もあるために注射後の観察も必要で、治療を完了できない方も多かったようです。それに比べて新しい舌下免疫療法は患者さんの負担が減るので多くの方が治療を完了できるようになるだろうといわれています。今後10年以内には、さらに負担が少なく、より安全な療法が受けられるように研究開発がされています。

第二部では、

・皮膚バリアが壊れると、異物によって炎症を起こす免疫細胞が増え、また、痒みを伝える神経そのものの成長が起こり、掻くことでさらなる炎症が起こること

・皮膚バリアを保つために保湿だけでなく保清も大切であること

・痒み、アレルギー反応は、いくつかの機序から起こり、一つの原因で起こるわけではないこと

・炎症を起こしている免疫担当のリンパ球は、薬(ステロイド・タクロリムス)でその働きを抑えているうちにアポトーシス(もともとプログラムされた細胞死)が起こり、炎症が治まること

・痒みやアレルギーを誘発する物質がいくつかわかってきて、それに対する薬の研究も進んでいること

・医師の説明がしっかりなされ、患者さんが理解し、患者さん自身が治療方針決定に参加する”アドヒアランス”が重要

など、わかりやすく聞くことができました。

花粉症とアレルギー性鼻炎では粘膜に付着させないこと、アトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能を保つことが大切です。
粘膜や皮膚の潤いを保ち、強化することによって症状が抑えられるというヒントがたくさんありました。

皮膚や粘膜の代謝を整えたり、皮膚や粘膜をつくる内臓の働きを高めることは鍼灸の得意分野です。
SORAの患者さんにもお伝えしていこうと思います。

患者さん本人が体の状態を知る機会が多いほど、不安も減り、治療に取り組みやすくなります。
関西での市民公開講座は2月26日で終了しましたが、日本アレルギー協会では一般の方への情報発信もしています。
興味のある方は是非のぞいてみて下さい。

日本アレルギー協会
http://www.jaanet.org/

↑ 配られた冊子。治療院に置いてあります。