野球選手の鍼施術報道のその後

昨日はめずらしく夜テレビを付けると、めずらしく夜遅くに野球の試合が。
日本代表 × 韓国代表の試合がライブで放送されていました。
日本が9回裏で追いつき、逆転されるも、さらに劇的な逆転サヨナラ勝ち。
偶然にも面白い試合が見られて興奮気味でした。
そして気になっていた野球に関する投稿を。

 

ある野球選手が「鍼施術で神経麻痺を生じた可能性がある」という報道がありました。
数人の患者さんとの話題にも上がりました。
所属する勉強会や合宿でも議題に上がりました。

結論から言うと、鍼灸の針で神経障害は、あり得ないと私も思います。
(鍼の形状、神経の性状、麻痺を起こしたとする神経の位置、麻痺を起こす他の要因、症状出現と施術の時系列、過去の事例の検討などなど)
ただ実際その施術や経過を知るわけではないので、何ともすっきりはしませんでした。
それは多くの鍼灸師や整形外科医でさえも思っていたことではないかと思います。

 

それを代表するかのように、鍼灸団体等が連名で、9/21に球団側へ公開質問状を送っていました。
(その診断に至った医師や、鍼施術を行なったトレーナーに対する質問など)

全日本鍼灸学会HP
「プロ野球選手への鍼治療による長胸神経麻痺に関する報道について」

毎月発行される鍼灸の専門誌でも、特集が組まれていました。

医道の日本HP
「2017年11月号 緊急報告 鍼施術報道の検証」

そして先週 11/8に、その質問に対する返答が球団側からもありました。

全日本鍼灸学会HP
「はり治療による長胸神経麻痺に関する報道についての照会に対する読売巨人軍の回答について」

この回答からは、どういった施術を行なったかは、依然わかりません。
質問に対する十分な回答とは言えず、まだすっきりはしませんが…
鍼治療の有効性を認めている内容にはなっています。

 

今回の騒動に思ったのは、言葉の捉え方と報道の影響力でしょうか。

最初の報道では「鍼治療によって引き起こされた『可能性が考えられる』」ということでした。
それは確率が0でなければ、そういう言い方でも間違いはありません。
(万が一でも、0と断言できないから、こうして物議にもなったのでしょう。)
医師も可能性の話を言っただけに過ぎなかったのかもしれません。

ただ、それがこのように報道に取り上げられてしまうと、これだけの人々に影響も与えてしまいます。
普段から鍼治療を受けている人は、不安に思うことは少ないかもしれません。
しっかり説明ができれば、心配に思うこともありません。
ただ鍼灸を知らない人が、この最初の報道だけを聞いてしまうと「鍼は怖い」ともなるのです。
さらに、その後の球団側からの鍼治療に対する好意的な回答については、あまり取り上げられなかったりもするのです。
(実際、最初の報道を知っている患者さんも、その後のことは知りませんでした。)
だから、この文章を書きました。

鍼灸は、怖いものではありません。